BD-Rドライブ。

 DELL M6700を購入した時に、選択可能な光学ドライブにBD-Rがなく、安価に抑えるために最低限のインストール作業に必要なDVD-ROMドライブを選択した。
 M6700はその巨体にも関わらず光学ドライブベイは9.5mm厚で、通常バルクで市販されているほとんどの12.5mm厚の光学ドライブは内蔵できない。
 それでもしばらくはブルーレイを再生するような機会はなかったのでよかったが、そろそろバックアップ作業の必要が出てきたのと、改造HDDレコーダDVR-BZ130で作成したBD-Rが大量に溜まっており再生環境がないことで不便を感じるようになったので、本腰を入れて9.5mmのBD-Rドライブを探し始めた。
 12.5mm厚の製品であれば選択肢は十分だが、9.5mm厚になるとBD-RはおろかDVDスーパーマルチの製品も数少ない。店頭売りを見つけることはほとんど不可能なので、最初から通販一択となった。
 売ってるネットショップの前に該当する製品を探さなければならなかったが、数日に渡って検索するうちにPioneerのBDR-US01が使えそうだとわかる。S-ATABD-REまで書き込み可能。ただし個人的にはあまり好みではないスロットイン型である。
 スロットイン型の光学ドライブには苦い思い出がある。大昔、友人のS氏の愛車でドライブに出かけた折。当時はまだ珍しかった車載CDデッキに自分のお気に入りだったGUNS'N ROSESのアルバムを入れてもらったところ、スロットイン式のそのデッキはフロントのピックアップローラの手入れが悪かったのか摩耗が進んでいたのか、記録面に激しいスリ傷をつけてしまった。持ち主のS氏は自分のCDがこのCDデッキでどれだけ傷めつけられていたか全く気にしていなかったようで、車内に転がっていたCDファイルを見せてもらうとどれも外周部に無数のローラ走行跡が残されていた。
 あれから20年以上が経ち、光学媒体のローディング方式がどれだけ進歩したかは分からないが、スポンジであれゴムであれローラ走行で吸入を行う以上は媒体への接触は避けられないはずで、特に記録面がCDに比べて精密で脆弱なBDにスロットイン式は避けたいところだ。
 しかし残念なことに、トレイローディング式の9.5mm厚ドライブが一向に見つからない。製品としては同じくPioneerからBDR-UD02が発売されてはいるものの、こちらはどのネットショップも在庫なし、次回入庫不明の状態である。流通が少ない理由は分からないが、買えないものをねだっても仕方ない…。
 というわけで、BDR-US01のソフトウェアバンドルモデルBDR-US01/WSをAmazonにて購入。14,843円なり。バンドルアプリケーションはPowerDVD10.0とInstantBurn5.0、LabelPrint2.5、Power2Go7.0、PhotoDirector4.0試用版が収められたCyberLink Media Suite10 for Blu-ray

 注文して早2日目に到着。早速M6700を分解して、既存のDVD-ROMドライブを撤去し換装作業を実施。


 IBM ThinkPadを使っていた頃は、その整備性の高さが気に入っていた。最初からエンドユーザに分解保守させる気がない国産メーカー製に比べて、入手可能な最小限のパーツまで分解・整備手順を明記した保守マニュアルが完備され、またパーツ自体も個別にユーザへ販売するなど故障時の保守が本当に楽だったからだ。
 ところが、他メーカーも自社の組立・保守作業を軽減する目的か、どんどん内部構造を単純化していき、必然的に整備も簡単になっていった。例えばNECVersaProで言えばVY17fあたりだとHDDを取り外すのに筐体の表裏併せて10本、HDDマウンタ4本ものネジを取り外す必要があったのに、昨年のモデルであるVY22Gでは裏面のネジ1本で済む。
 DELLは元々構造は単純な方ではあったが、この巨大なM6700も裏面へのアクセスはネジ2本だけ。分解・組立手順を明記した保守マニュアルも公開されている。実際にサポートに頼るレベルの保守ではいろいろと低評価ではあるが、軽い整備であればThinkPadDELLの差はあまり感じない。

 背面パネルを外して光学ドライブの固定ネジを外し、DVD-ROMドライブとBDR-US01を交換。添付媒体と比較するとM6700の巨大さが目に付く。フットプリントはThinkPad X60のほぼ2倍ある。
 取り付けて気が付いたが、BDR-US01にはメディアの強制排出スイッチがなかった。言われてみれば今まで見たことのあるスロットイン型の光学ドライブにはなかったかもしれない…。
 とにかくこれで、妻に遠慮無くBDが観られるというわけだ。