夢を見た。

 夕食を食べたあと、コタツに潜ってうたた寝していた。
 夢を見た。
 
 ISDN回線を家に引くことになって喜んでいる俺。
 すごい!NTTのデジタル通信技術の結晶、64kbpsの高速回線だ!
 今までのモデムの28.8kbpsなんて目じゃない!36.6Kbpsにしたって実行速度半分くらいしか出なかったし(昔愛用していたIBMのAptiva 2176-H55やThinkPad 535では内蔵アナログモデムはメディアボードMwaveに統合されていて、発売後にリリースされたドライバを使うと初期の28.8kbpsから36.6kbpsにアップグレードできた)
 TAとパソコンのつなぎ方がわからない!アナログポートとアナログモデム繋げばいいの?TA端子とLANポート繋ぐの?どうしよう!。
 TAに入れる乾電池がない!(TAはアナログ電話機のターミナルでもあるので、停電時のために必ず乾電池ボックスがついていた)
 どうにか接続を終え、いよいよフレッツISDNで常時定額接続だ!
 家に電話かかってきても切断されないぞ!
 Anime Web TurnpikeとかAnime shrineとか時間を気にせず見放題だ!すげー!。
 
 …コタツで寝てるとまた風邪を引くから布団で寝なさい、と妻に起こされた。
 あれ…Aptivaは?自慢の22インチCRTどこ行った?Turnpikeどうしたっけ?。
 というかいつの間に結婚してたんだろう?。
 
 混乱しながら手元を見ると、先日買ったAndroidタブレットが落ちていたのでTurnpikeを検索してみた。
 結果は一瞬で表示されたが、俺の記憶にあったTurnpikeは既にどこかへ消えていた。
 Anime shrineも同じだった。
 部屋を見回すと、隅の方でCATVモデムと無線ルータのインジケータが明滅している。
 
 ああそうか、夢か…。
 
 ISDNはそれこそ80年代からずっと「ミームいろいろ夢の旅」でさんざん刷り込まれ「いつか家にパソコンがISDNと一緒にやってくる」と信じていたのだが、実際のところは、実家にはISDN回線は引かなかった。ずっとMwaveの36.6kbpsモデムで頑張って、フレッツADSLのサービスエリアに入ったと同時にADSLに移行した。
 
 あれは何年くらい前の夢だったのだろう。15年くらい前か?。
 Aptiva H55を購入したのが1996〜7年頃だったか。N氏と一緒にオープンして間もない県都パソコンの館に行き店員と下手な値引き交渉しながら買った記憶がある。30万円ほどだったか。それも今では実家の2階の片隅で、アニメ画像を大量に(と言っても、今から考えたら信じられないくらい小容量だろう)保存したHDDを抱えたまま転がっている…。