全国に。

 仕事が遅れて残業中、次週飲み会を予定している年上の後輩から声掛けした参加者のリストが送られてきたので、全員に向けて集合時刻等の連絡メールを送信した。

 人数を書き留めるため普段遣いの手帳を開くと、今日の日付欄にバラエティ番組のタイトルと時刻が書いてある。
 そういえば先日夜に酔っ払って歩いていて、取材を受けたな。
 色々聞かれた気がするが細かい内容は思い出せない。
 それに、自分たちの前もその後も、取材班はひたすら通行人を捕まえては撮影していたから、自分たちの映像が使われることはないだろう。
 
 デスクで進まない文書の作成を続けていたが集中力が切れた。空調も停まったオフィスはほぼ外気温と同じ30℃に達し、これ以上座っていられない。
 同じオフィス内にずらりと居残る各課の課長達を尻目に帰り支度をしてエレベータに乗った。

 帰りのバスは件の番組の放送時刻はギリギリ。
 予約録画するのを忘れていたが、元々あまり見ることのない番組だったので気にはならない。

 社宅に着いた頃にちょうど放送が始まった。取材の日にその場に居合わせた同僚達にSMSで知らせたが、野次馬しかしていなかった連中は完全に放送のことを忘れていたようで、一緒に撮影されたHさんもストリーミングでかぐや様は告らせたいOVA見てた、とのこと。
 お風呂の準備をしながら30分近く観ていたが、どうも我々に関係するコーナーはないようだ。
 安心しながらチャンネルを変えて遅い夕食を始めた時。
 HさんからLINEが飛んできた。
 チャンネルをその番組に戻した瞬間、俺の意識は飛んだ。

 コーナーが終わるより前にBBKEY2の通知が止まらなくなった。
 そんなの観てて楽しいかあんたら。酔っ払ったサラリーマンの醜態をさぁ。

仕様上の制限温度。

 転勤生活に備えて導入した我が部屋の基幹的空調設備たるスポットクーラーMAC-20。
 稼働後2年目を迎えて、今年も6月末頃から運転を再開した。
 室温が30℃を超えるまでは、しっかりと室内に冷気を送り概ね28℃前後に維持してくれた。

 しかし、7月中頃から異変が生じ始めた。
 設定温度を最低にしても室温がほとんど下がらなくなってしまったのだ。
 MAC-20背面の排気ダクトの経路や室外に出している排気口の通風具合などを点検したが問題はない。
 フィルタももちろん清掃している。
 日中の室温が38℃を超える日が続く中、これでは夜もおちおち眠れない。
 故障なら修理に出そうとマニュアルを読み返すと、仕様欄に使用環境温度が16℃~35℃までと書かれていた。

 そういえば去年はここまで暑い日はなかった。
 去年はどんな暑い日でもMAC-20を稼働させればほとんど20℃台に下がっていたのに。

 やべぇわ。

新橋の酔っぱらいサラリーマンみたいな。

 終業後。
 Hさん達と小料理屋で食事をした後、帰りのバスに乗るために最寄りのバス停へ向かって歩いていた。
 間もなく午後9時。
 中心街あたりはコロナ自粛もすっかり明けて行き交う人並みが賑やかしい。

 Hさんが仲の良い同期と取り組む婚活が佳境を迎えた話を聞きながら盛り場の表通りにある商業施設前の広場に差し掛かると、Hさんに声を掛けてきた男性がいた。
 客引きだったら追い払うが、ナンパだったら邪魔しないよう立ち去るべきか。
 しかし風体を見ると客引きではなさそうだ。ナンパにしては普段着姿で疲れた表情。
 某バラエティ番組の取材なんですけど、撮影とかお話とかいいですか?と彼は言った。
 後ろには業務用のビデオカメラやホワイトボードを携えた撮影チームもいる。

 やや酔っていたHさんは「いいですよ」と事もなげに答えた。
 酷く酔っていた俺は「えっ?」とHさんの言葉を聞き返したが、すぐに撮影が始まってしまった。
 他の連中は光速で死角にワープした。
 ディレクターらしき彼の問いかけに答える形で進められた撮影中、カメラはほとんど俺を追っていた。

 10分ほどの撮影が終わり、個人情報の取り扱いに関する同意書の署名やら制作会社への連絡先のやり取りを済ませて開放された我々は、逃したバスの次の便が来るまでの間、バス停近くのバーに入って待つことに。
 そのバーのマスターは地方局では有名なタレントで、道路を挟んで真向かいで我々が受けた取材の話をHさんが聞かせると「そんな面白素人絶対カットされないですよ」と大笑いされた。

 酔ってテレビの取材を受けてはならない。
 画面越しに笑って見ていた酔っぱらいサラリーマンに、自分がなるかもしれないと恐れる日々がやってくるのだ。
 8月中にはオンエアらしい。

TS8330を使ってx64対応画像アプリケーションでスキャンしたい。

 大昔、FinePix2900Zを使って撮影・印刷後にデータをストレージ故障で失った画像が何枚かあった。
 2年前の引っ越しの際に、B5版やA4版に印刷したものが何枚か再発見できていたので、印画紙の劣化が進む前にデジタイズしたいと考えつつも後回しにしていた。
 去年まで主PCだったDELL M6700で長年使ってきたCorel PaintShop Pro X5とCanon TS8330でTWAIN経由でスキャンした画像を編集してみると、簡単な作業のはずだが後処理で良い画質を確保するため解像度を高めに設定すると処理が恐ろしく重く遅くなる。
 実はEOS R5を導入してから撮影画像データサイズがM6700上の編集ではあまり実用的な速度が出なくなっていることには気付いていて、そのためドスパラBTOマシンを新たな主PCに据えたりしてきた。しかし周辺機器の再接続などは必要に応じて少しずつ進めてきたので未だに完全に移行できていない。
 いい機会なのでCorel PaintShop Pro X5とCanon TS8330を新PCへ移行して、スキャン作業をやってみることにした。
 
 そして、思い立ってから一昼夜経過してからもスキャン作業は終わらなかった。
 まずCorel PaintShop Pro X5が扱える画像のデータサイズが意外に小さいことがわかり、バージョンアップ版として新たにCorel PaintShop Pro 2023を購入することになった。ダウンロード版で7000円足らずだったか。相応に重くなっていたがそれは新PCのi9 12900とGeForce RTX3070がねじ伏せてくれる。
 問題はそこではなかった。
 PSP2023からTWAIN経由でTS8330が見えない。
 具体的にはインポートメニューからTWAINソース選択を開いてもTS8330が表示されないのだった。
 TS8330をM6700へ繋ぎ戻してPSP X5での挙動を見ると今まで通り正常に動作する(TWAINもWIAも両方見える)。もちろん、選択してからTWAIN取り込みを実行すれば、Canon ScanGear 20.0.45(64ビット版)が立ち上がり、プレビューやスキャンが実行できるし、PSP X5への取り込みも一発で成功する。
 M6700にPSP 2023をインストールし直してTWAINスキャンを試すと、新PCと同じでTWAINソース選択でTS8330が表示されない。
 新PCにPSP X5をインストールすれば、TWAINソース選択でTS8330が表示される。プレビューもスキャンも正常だが、スキャン結果が数十MBを超えるようだとスキャン終了直後にPSP X5が異常終了してしまうため実用にならない。
 新PCとPSP2023の組み合わせでも、TWAINではなくWIA経由のスキャンは可能だが、これではCanon ScanGearが使えないためスキャン時の画質等の微調整がほとんどできない。

 しばらく考えていると、ふとPSPとTWAIN用デバイスドライバのCPUアーキテクチャ不一致ではないかと思いあたった。
 PSP X5はx86版、TS8330用のスキャナドライバがPSP X5に表示される際のソース名称も「Canon TS8330 series 20.0 (32-32)」だが、PSP 2023はx64版だ。
 比較用に単体販売されているx64対応TWAINアプリケーションのVueScanの試用版をインストールしてみると、思った通りPSP2023のTWAINソース選択にVueScanが表示されるようになった。

 VueScanも高機能だが、呼び出し元のPSP2023へスキャン結果をそのまま返せないため、一旦画像ファイルとしてどこかに保存しなければならず使い勝手が悪い。
 キヤノンがTS8330用のx64対応TWAINドライバを提供してくれれば解決しそうなのだが。このあたり、PaintShop以外のAdobe PhotoShopを使っているユーザはどう対応しているのだろうか。

東京出張。

 この春に転職後初の異動となった。
 新しい業務は前職で若い頃に少し携わったのとよく似た内容なのだが、取り扱いメニューが多いため覚えるのに苦労しそうだ。
 今回も指導してくれる上司はいるが、その上司も経験が少ないので具体的な内容は前年からいる若手に聞いてほしいとのこと。その若手I君は俺と同様に同業他社からの転職組だが、人間としてのスキルは周囲を圧倒しており直属の上司だけでなく周囲の管理職からも頼りにされている存在だ。
 
 さて、上司から東京本社で開催される連絡会議に出席するよう指示された。本来は上司とI君が出席する予定だったが、全国から集まる関係者に挨拶する機会なのでと上司が席を譲ってくれたのだった。
 出張の事務手続きはI君がさっさと済ませてくれ、金曜の朝の新幹線に乗って東京へ向かった。
 東京駅から地下鉄を数本乗り継いでたどり着いた我が本社は、周辺に立ち並ぶ同業他社の社屋が真新しいのと対象的に、ウワサに聞く通りの古めかしさだった。
 社員だというのに入構許可手続きを求められる。警備スタッフに会議室がどこか尋ねると、地下のどこかだという。階段を降りると暗い通路がひたすら続く広い地下フロアだったがどこにも部屋名が書かれていない。通りかかった社員に聞くこと数回、やっと目的の会議室に入室できた。定刻より1分遅れだった。
 
 会議の昼休憩中、今月本社に異動していた同期のS君に連絡を取って今来ていることを伝えると、社内で昼食を取ろうという。集合場所に指定された地下フロアの社員食堂に行ってみると、そのあたりは見違えるような明るい雰囲気だった。
 日替わりの、学校給食前とした魚の生臭さも残るあまり美味しくはないシーフード定食を食べながらS君と近況について話す。昨年まで俺がお世話になった前部門の課長も今本社内にいるそうだが、今日は多忙で挨拶に行ける様子ではないとのこと。
 そのまま、今日の定時後に飲みに行く約束をした。会議室に戻ってI君も誘ったが、既に学生時代の友人と会う約束をしたとのことだった。
 

 会議が終わり、このまま直帰扱いになるのでI君と本社前で別れ、都内を散策しながら時間を潰すことにした。間近の霞が関駅で降り、皇居の桜田門前広場から警視庁のあの有名なビル角を撮影してHさんにLINEした。コナン好きなHさんからすぐに「平日に聖地巡りかおめでてぇな」と罵声が帰って来る。
 次に渋谷に行きSHIBUYA SKYに登ろうとしたが当日券は早々に売り切れだった。交差点に戻りミリオタに有名な大盛堂書店に行こうとしたところで、I君から友達と合う前の少しの時間だけで良ければ同席させてほしいとの連絡が来た。もちろん喜んで、と返信したが、イケメンで遊びなれた風のI君が納得するような店を俺は知らない。逆にI君にいい店がないかと尋ねると「Gungunmeteoさんが帰る時間を考えると東京駅内の店か、東京駅前の新丸の内ビルのバーならさっと入って飲み食いできる」との情報提供があり、そこで待ち合わせることとした。
 外国人客ばかりの店内で、東京駅の明かりを見つつビールをすすりながら3人で話す。300mlほどで900円のやや高い一杯。
 I君はS君と直接面識はなかったそうだが、昨年まで結構職場内で目立っていたS君について噂は聞いていたようで、本人は噂よりも面白い人物だと楽しげだった。I君も同業他社からの転職組で、前職では関連会社への出向で東京勤務していた時期があったそうで都内には土地勘があるという。彼女がほしいと言うS君へ東京のナンパスポットを教えていた。
 友達から催促を受けたI君が先に店を出て、残った我々は社宅で同年代の同僚と共同生活をしているというS君の門限まで粘ることにしてそのまま飲み続けた。
 結構グダグダになった頃、社内の同期の女子会に出席しているHさんから参加者一同の集合写真がLINEで送られてきた。同期から、社内でも有能と評判の独身男性A君を紹介されているらしい。
 以前、明らかにHさんに関心があったこともあるS君にそれを見せたところ「やっぱりA君かー!以前からお似合いだって言われてましたもんね!クソー!」と子供のように悔しがった。S君はA君と広報動画の作成チームで一緒に活動していたのでA君の有能さをよく理解しているのだ。
 グラスをつかんだままテーブルに顔を伏せる彼にBBKEY2を持たせたまま、俺はビールのお替りを受け取りにカウンターに行った。黒ビールが注がれたグラスを持って席に戻ると、S君はBBKEY2を返しながら「すいませんついメッセージ撃っちゃいました」とつぶやいた。
 ディスプレイを見ると、A君のことを誰から紹介されたのかなどと立ち入った繰り言が書かれていて、しかも既読が付いていた。
 「お前やりやがったな!セクハラやんか!」と怒ったがもうどうしようもない。事情を説明するため、3人の集合写真と共にS君の仕業だと謝罪文を書いて送った。

 そうこうしているうちに時計を見ると20:30になっていた。S君の門限であると同時に俺の帰りの新幹線が間もなく出発してしまう。
 S君と再会を約して東京駅に走って戻り、慌ててお土産を(Hさん達へのお詫びの印のお菓子も)買って新幹線のホームに文字通り駆け込んだ。

 窓側の指定席に向かうと通路側席に先客が着席していた。
 俺と同年代くらいに見える女性だった。謝りながら通してもらい、車内で聴きながら眠るためにヘッドホンを取り出した。
 「…お仕事ですか?」
 その女性から声を掛けられた。
 女性の方は仕事で出張というよりはプライベートの旅行の様子で、持ち込んだお土産の中でも特に大事らしいお菓子の箱をテーブルに置いていた。
 「東京駅でギリギリまでお土産集めてて。娘からリクエスト受けたお菓子をやっと見つけて買ってきたんです」
 「そうでしたか。東京駅もショップが何箇所かに分かれてて、時間ない時に全部回るの大変ですよね」
 「ホントに!。でも新幹線て便利ですよね。私今回初めて新幹線で東京から日帰りできるの知ってびっくりして」
 「片道2時間ちょっとですからね。朝は6時発だからまあいいけど、最終はできれば22時とか23時になってくれればもう少し都内での活動時間増えていいんですけどね」
 「そうそう。私…推し活に来てたんですけど、この新幹線が帰りの最終便だから閉幕前に席を立たないといけなくて」
 「それは残念でしたね」
 何かのアーティストのライブだろうか。一瞬考えようとした俺の表情を見た女性は「ショーなんですけど、ちょっと寒いところで」とヒントを出してきた。
 推し活の対象になるアイドルがいて、夜の演目があって、寒い場所で、となるとフィギュアスケート、おそらく推しは羽生結弦というところか。
 そう推理を述べた俺の目を見て女性は笑顔で「羽生くんも有名ですけどね。残念」と笑った。
 女性の推しは高橋大輔だった。近年はアイスダンスに転向して今夜もペアで競技会に出場したが、彼の推し活仲間とともに彼が現役続行するか毎シーズン心配しているという。
 その後、女性はフィギュアスケートについて素人の俺に様々な技やトリビアを教えてくれた。荒川静香の演技で有名になったイナバウアーが実は上半身を反らした姿勢ではなく、同時に行っているシューズの刃先を左右で180度開いた滑走技術を指しているというのは、恐らく彼女から聞かなければ誤解したままの知識だった。
 推し活中の生き生きしたヲタクの話を聞くのはやはり楽しい。
 気が付けば2時間の乗車時間はあっという間に過ぎ去り終着駅だったのだ。

DVR-BZ130再び分解。

 再び三菱製ブルーレイレコーダーDVR-BZ130の分解ネタ。
 友人に頼まれて鬼滅の刃遊郭編特番のブルーレイ録画をしようとしたところ、BDドライブがBD-Rディスクを認識しなくなっていた。
 BDを使っての録画やHDDからのダビングはめったにしないのでいつ頃から不具合が発生していたのか明確ではない。
 三菱はとうの昔に家庭用レコーダー市場から撤退済みで、DVR-BZ130内蔵のBDドライブBDR-05MTも補修部品として新品入手は不可能。
 中古部品としてネットオークションに流れているが、中古のくせに15000円とか強気の価格であんまり素直に購入したくない。

 動作テストしてみるとCD・DVDの録画再生は正常だった。BDのピックアップや周辺の不具合だとあたりを付ける。
 光学ドライブの不具合対応で真っ先に試すのはクリーニングディスクによるピックアップレンズの清掃。残念だが効果はなかった。
 次いで光学ドライブを分解してピックアップ部の駆動の支障になりそうなホコリ等の清掃と注油だが、そもそもCDとDVDは正常なのでこれも効果がない。

 最後にレーザーの出力微調整。
 メーカーや機種にもよるが、光学ドライブの基板上に各レーザー発振器の出力調整のための可変抵抗が付いている。発振器の劣化その他の原因でレーザーの出力が変動した場合にこれで対応可能なのだが、素人が微調整するのは非常に難易度は高い。調整値を正しく把握するにはオシロスコープなどそれなりの機材が必要だ。
 しかしWEB上には目測で調整して復旧に成功した事例もかなりあるので、ダメ元で試してみた。

 DVR-BZ130の筐体を分解し、BDR-05MTを取り外す。ちなみに一度交換していてこれは二代目。

 BDR-05MTの金属カバーを上下とも取り外してピックアップ部を露出させる。
 ピックアップレンズが並ぶ上面を観察すると、可変抵抗が1つだけ取り付けられている(黄色の円内)。フレキケーブルコネクタの直後にあるので、CD/DVD用レーザーとBD用レーザーをまとめて調整するためのもの…とも思えない。

 BDR-05MTを裏返し、基板を1枚剥がしてピックアップ部の裏面を見ると、こちら側には2つの可変抵抗が見つかった(黄色の円内)。これはCD/DVD用レーザーとBD用レーザーを個別に調整するためのものだろう。
 ただし、2つの抵抗器のどちらがBDレーザー用か、また時計回り・反時計周りのどちらに回して調整するのかは情報が見つからなかった。今の状況では、実際に可変抵抗器を少しずつ回してディスクの読み書きに起きる変化を確認する作業の繰り返しになるため、せめてどちらがBD用かだけでも把握できたらよかったが、事前に分からないものは仕方ない。
 というわけで、概ね一昼夜3つの可変抵抗器の微調整とテストを繰り返した。簡単に書いたが、分解して、調整して、また組み付け直して電源を投入してディスクを入れて再生して、ダメならまた分解して…の繰り返しだ。途中で頭(と指)がどうにかなるかと感じるような面倒な作業。
 結局、BDレーザー用の可変抵抗がドライブのスピンドルモーター側に位置する方だと特定できたものの、DBメディアを使用可能にするまでには至らなかった。DVR-BZ130でタイマー録画する番組がかなりあるのだが、DVR-BZ130は光学ドライブが取り外されているとエラーを吐いて強制的に電源がオフになる仕様のため、ずっとドライブを外したままにできなかったし、自分の根気も尽きたのもある。
 なるだけ安い中古のBDR-05MTを探して購入することにしよう。

BDレコーダーDVR-BZ130瀕死。

 先週あたりから三菱製ブルーレイレコーダDVR-BZ130が電源投入直後に「ドライブに異常が発生しました。」とメッセージを表示して直ちに電源が切れる症状が続いていた。
 何度かに一度はエラーメッセージを表示せずに起動できてくれることがあり、平日夜などは起動するまで何度も電源投入を繰り返してしのいでいたが、この3連休に入る直前になりとうとう正常起動しなくなってしまった。
 我が社宅にはいわゆるテレビは置かず、DVR-BZ130をテレビチューナーとして、余ったPC用モニタをHDMIで接続してテレビの代用品としている。DVR-BZ130自体は内蔵HDDを購入時の320GBから本体が認識できる上限の2TBへ勝手に換装してある。
 こんな場合、DVR-BZ130のエラートラップは残念ながらあまりよい仕様ではない。BDドライブ・HDDどっちが死んでてもいいからテレビチューナーとしては動作してほしいのに、それすら操作できなければどちらか一方が故障した瞬間にこいつは捨てるしかなくなるではないか。
 ドライブと言われてもこのメッセージだけでは不具合の原因がBRドライブかHDDなのか区別できる情報はない。おそらくHDDの方だろうな…と薄々感づいてはいたが、分解整備にはDVR-BZ130の上に載せた形のモニタやら小物を片付けなければならず、面倒なので後回しにしていた。
 この3連休、元々N氏と旅行に行くはずだったのだが目的地の予約が取れなかったとのことでキャンセルとなっていた。そのためやることがなくなってしまい、何もせず浪費するのも悲しいのでこの件に対処することにした。

 HDDもBDドライブも交換したことがあるこのレコーダ、もう分解は何ら迷うことなし。
 筐体カバー除去、HDDをマウンタごと筐体から取り外し。
 ひとまずUSB-SATA変換アダプタにて主PCに取り付け、概容を確認。

 おお…もう…。
 HDD Regeneratorで復旧を試みるとすぐにDRIVE IS NOT READYエラー。USBアダプタではダメだろうな。
 最近使用していなかったDELL VOSTROデスクトップのオンボードSATAへ接続し改めてHDD Regeneratorを実行。

 これはあかん気配。
 しゃーないので同一のWesternDigital WD20EARSを1個注文。7,000円ほど。
 …直す価値あるか?と迷うが、CMカット機能ついたレコーダってもうないような気がして。