安さなりの構造。

 流行りに従いNANOTEを買い、流行りに従いNANOTEを分解する。
 修理に出すような代物ではないし、できればMicroSDスロットの不具合を直したい。
 WEB上で分解された大量のNANOTE事案を見ると、ボトムカバーのネジ山が全て潰れているだの、CPUに貼られたシリコンシートに組み立てミスによりケーブルが挟まって破れていただのロクでもない話ばかり。実際のところ何かあった事例だけが注目されるのでそう感じるだけなのかもしれないが。

 早速ボトムカバーを外す。ネジ山は全てキレイに残っており問題なく作業できる。
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 NANOTEは放熱ファンがないのでマザーボードの排熱はヒートシンクを経由してボトムカバーに流れている。筐体の3割ほどの面積を占めるヒートシンクにはボトムカバーと密着するように青いシリコンシートが貼られていたが、よく見るとシート面積のうちボトムカバーに張り付いていたのは半分ほどしかないようだ。
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 銅製ヒートシンクも剥がす前に隙間を観察すると、M/B上のCPU等に接するはずの部分にわずかに隙間があった。ただしこれはボトムカバーによって圧着させる設計で、カバーを外したから隙間が空いたという様子。

 ヒートシンク下は…よかった、噂のCPUシリコンシートは無事だった。
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 不具合例で原因となっていたのはWiFiのアンテナケーブルだが、俺の個体ではヒートシンクとの密着面をちゃんと避けて配線されている、のだが別に固定されていたというわけではない。本来ならどっか途中で絶縁テープ貼って固定すればいいのだろうが。
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 リマーク品とも言われるメモリチップについては、ネットに出回るリマークの証拠だとされる画像とは刻印のフォントが全部違う気がするが、知識がないのでこれが普通なのか判断できず。

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 NANOTEを一日連続稼働させた後にボトムカバーに隙間ができたというツイートも流れていたが、俺の個体を見る限り、ボトムカバーはNANOTEにおいてM/B・ヒートシンクを圧着させる重要な部材なのに、厚みが足りずネジ止め箇所も少なすぎてハナから強度不足というのが正しい。
 そもそも端子部のある短辺は、USBなりMicroSDなりを抜挿すると端子に力が掛かってM/Bがボトムカバーを押し下げてしまう。特にMicroSDは挿入しておくとそれだけで開口部に引っかかりカバーの歪みを誘発している。
 長辺方向を手で鷲掴みにして使う場面もあるのに全体がエンプラで強度不足、僅かな歪みでヒートシンクやシリコンシートの剥離もありそうだ。
 適正な強度を保つには筐体短辺の中央に1本ずつネジ止めが必要だろうし、筐体側中央には未使用のネジ台座があるので設計上はここもネジ止めが考慮されていたはずだ。

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 内蔵Li-ionバッテリーは特に膨張などの不具合の様子はない。最初からボトムカバーにも接触しておらずカバーの隙間や歪みの発生には何ら関与していない。

 気休めだが、シリコンシートとヒートシンク・ボトムカバーの間に手持ちの熱伝導グリスを遠慮がちに塗って作業終了。