X60の起動不良。

 以前落下させて以降、動作が不安定なThinkPad X60
 この数ヶ月は数日以上の連続稼動後、Windowsの再起動またはシャットダウンしてからの電源投入後、電源インジケータが点灯するもののモニタには何も表示されず、起動動作が始まらないという現象が出るようになった。
 常用しているウルトラベースX6とのインタフェース部の接触不良が起きているものと考え、接点復活剤を使用して端子のクリーニング等を行なってみたが改善しなかった。その後X60本体だけでの再起動テストで現象の再現性が確認できたため、ウルトラベースX6には原因がないことがわかった。しかしX60は基本的に電源を切らず24時間稼働で1ヶ月程度放置することがほとんどなので、実害がないものとしてそのまま放置していた。
 また更にしばらく後、X60と同時に購入した4セルの標準バッテリFRU P/N 42T4506が表示上の残量60%余りを残して給電・充電しなくなった。省電力マネージャ上では「バッテリが磨耗しているため充電できません」と初めて目にする警告が表示される。これは文字通りのバッテリの寿命か、先に始まっている起動不良と何か関係があるのか、判断がつかなかった。
 標準バッテリについては新品に買い換えれば済む話。そこで新たに8セルの大容量バッテリを購入すべくネット上で新品と互換品の情報を集めていると、X60シリーズでのバッテリの不具合による無償修理が行われていたことを知った。http://download.lenovo.com/lenovo/content/batt/082009/LandingPage.html?lang=ja
 FRUナンバからみて今回の現象とは関連がなさそうではある。仮にあったとしても、所詮は消耗品であるバッテリを中古品のPC本体の添付品として入手している以上、単に寿命によるものかどうかを今ここで判定するのは難しそうだ。バッテリはとりあえず8セルのLenovo純正品の新品を注文。9,000円なり。
 先の再起動時の不具合の原因を改めて探る。
 X60本体のみでも、また不具合を持つバッテリを外した状態でも再現することから、やはりX60内部の故障があるようだ。電源投入時、HDDやDVDドライブは正常にスピンナップしているのでストレージの不具合による起動不良ではない。そもそも起動時のThinkPadロゴもBIOS画面も表示されない。モニタをよく見ていると画面表示どころかバックライトも点灯しない。それでいて、何度か電源断と投入を繰り返すと思い出したように正常に起動してしまう。
 ウルトラベースX6ごと1m下の床面に落下したのがきっかけであるので、そこで故障が発生しそうなのは衝撃による応力を受けているであろうX60本体裏面の拡張インタフェースとその周辺ということになる。例によって分解を行い、各種フレキケーブルの接点のクリーニングと再組み付け、メモリボードのスロット入れ替え等基本的な作業を実施。
 分解の際目視で点検しているが、基板上の部品の剥がれやハンダのクラックは見つけられなかった。
 一旦組み立てした上での起動テストで、なぜか現象の再現率が一気に高まってしまった。M/B上の故障であればお手上げだ。
 最小限の分解としてキーボードの取り付けネジ4本を取り外し、ケーブルの取り付け状況を再確認して、面倒だったのでネジを締めずに起動テストを行うと…何と、現象が再現しなくなった。ネジは本体オモテ面に挿し込む形で取り付けたキーボードを、本体裏面から締めて固定するためのものだ。もしかすると、ネジ止めによって本体筐体に掛かる応力で、M/B等にできたハンダクラックを悪化させるのかもしれない。
 ネジを1本ずつ締めながらテストを繰り返し、故障を悪化させるネジを特定。原因をそれ以上調べる時間はなくなってきたので、当該ネジを仮留めにして作業終了。