Rescue and Recoveryの更新失敗。
ThinkPad X60のRescue and Recovery(RR)のアップグレードと失敗、そのリカバリについて。
先日、X60のHDDを従来の250GBから500GBへ移行した。容量が不足し、RRで完全バックアップができなくなっていたのが直接の理由だ。
移行後にRR自体のアップグレードを行ったが、ThinkPad SystemUpdateによって自動ダウンロードされたアップグレード後のバージョンは数年前にリリースされたかなり古いv3.01.0037止まりになった。Lenovoから提供されている最新のRRメジャーバージョンは4.2のはず。
SystemUpdateではマイナーアップデートしか適用できないのかもしれない。そこでLenovoのThinkVantageサービスサイトよりRR最新版v4.2のインストールファイルをダウンロードして適用することにした。
ところが、v4.2のダウンロードファイルが展開されインストールが始まると、現在インストール済みのv3.01.0037を削除する時点で「インストールファイルが一致しません」と、v3.01をアンインストールするためのmsiファイルを手動で指定するよう要求された。一般的には、アンインストールに使う実行ファイルなどユーザにわかるわけがない。
ファイル指定ダイアログにたまたま要求されるインストールファイルが本来あるはずのパス"C:\Windows\Downloaded Installations\{93D1D522-D1EA-4DBF-99B0-E68949FB99A4}"が入っていたので、その周辺で見つかったMSIファイルを一つづつ指定して使えないか試したが、いずれも使用できずインストールが継続されず終了してしまった。
そこから2日くらい悩み続けることになった。"C:\Windows\Downloaded Installations"下に本来はRRの(恐らくはv3.01系の初回インストール時に使用されたはずの)正常なインストールファイルがあったが、こちらが誤って削除してしまったか。ならばと先に取り外した250GBのHDDから同ディレクトリ内の全ファイルを500GB側にコピーしてみたが改善せず。
あるいはSystemUpdateによる自動アップデートで、インストールファイルも別バージョンに上書きされてしまったことで初回インストール時と異なると判定されているのだろうかと思い、改めてv3.01.0037のインストールファイルをダウンロードしてこちらで新規インストールを試みたが、こちらもインストール時に過去バージョンとして現行のRRのアンインストールを始めてしまい、やはりインストールファイル不一致でMSIファイルの手動指定が発生し失敗。
今日になって万策尽き、考えるのも面倒になってしまったので、RRのインストーラを騙して無理やり新規・上書きインストールさせることにした。
"C:\Program Files\IBM ThinkVantage\Rescue and Recovery"内のRR実行ファイルを全て削除。
また、レジストリ内のエントリで"{93D1D522-D1EA-4DBF-99B0-E68949FB99A4}"を含むもの全てを削除。これはWindowsのアンインストール情報の消去を狙ったもの。なお「窓の手」のアンインストール情報の削除を試したがこちらでは効果がなかった。
他にサービスのTVT関連・RR関連の2サービスを手動停止して、先にダウンロードしていた最新のv4.2のインストールを実行したところ、今度は正常にインストールが完了した。
※2010/09/26追記…全く改善しなかった…。
結論から言うと、ThinkVantage System Updateをアンインストール後に改めてRRのセットアップを実行したところ、正常にインストール成功。
RRのインストール時に発生していた、より新しいバージョンのRRが存在していることによるセットアップの終了について色々と考えてみた。
レジストリに残存している従来のRRに関すると思われるエントリは全て削除してあるし、またディスク上にあるRR関連のバイナリも全て削除済。ではセットアップは一体何を見て新しいバージョンのRRを見つけたと言い張るのだろうか?。
HDD上のサービスパーティションはまだ削除していないが、その存在そのものかあるいはサービスパーティション上に作成元RRのバージョンが記録されていて、それを見ているのか?。というわけでサービスパーティションを削除したが、やはり再セットアップも新バージョンセットアップもこれまでどおり中断してしまった。
他には…Windowsのサービスに何かRR関連のサービスが残った状態なのだろうか?。
サービスマネージャ上の表示を見る限りでは、RRに直接関連するようなサービスは見当たらない。かろうじて、ThinkVantage Technologyの略と思われる「TVT」を含むサービスが2つ自動起動している。これを2つとも手動で停止してから再セットアップ等を実行してもやはり状況に変化はない。
万事休すか…。
自分の頭で考えてもどうにもならないのなら、人に聞いてみるしかない。というわけでググって見ると、何とそのものずばりの事例(http://anthony7.blog110.fc2.com/blog-entry-1.html)が見つかった。発生から途中経過までほぼ同一の現象となっている。
ここに記されているとおりSystem Updateをアンインストールしたところ、サービス上のTVT関連サービス2つは削除された。その後最新のRR Ver4.2をインストールすると、今度は正常に完了した。
System Updateのサービスが、RRの稼動に何か直接的に関係している部分があるのだろうか。RR自体が持っているActive Updateの実行にSystem Updateが必要で、そのSystem UpdateのTVT関連サービスもRRの各バージョンに依存したものが使用されるようになっているのだろうか。
ThinkVantage Technologyの他アプリケーションにも、相互に依存してバージョン間不整合の原因となりうるものがあるかも知れない。System Updateを信頼すべきか否か…。