うにぶる れぎすとりー ぼーすたー 2010。

 出先のユーザから「仕事先から受け取ったZipファイルを解凍しようとゴニョゴニョやっていたら『うにぶる れぎすとりー ぼーすたー 2010』って変なソフトが立ち上がるようになって困ってます」と連絡あり。
 Windowsログオン直後に勝手に起動してきて「何かスキャンぽいもの」を実行させられるのだそう。
 とりあえずスペルを「Unible Registry Booster」と推定してググると『Uniblue Registry Booster』なるアプリケーションを公開しているWEBページ(http://www1.uniblue.com/pc/rb/google/search/jp/)が見つかった。
 このページ、作りがかなり怪しい。
 例えば機能紹介のアイコンや「これは良いツール」的な外部メディアの評価コメントなどには全くリンク先が設定されていない。マトモなページなら各機能動作中のスクリーンショットが掲載されたり、また外部からのコメントにはその外部メディアへのリンクが設定されているのが当然だろうが、このページの場合はアイコン画像のalt属性にテキストが書かれているだけだ。これはページのトップに堂々と掲げられているMicrosoft GOLD CERTIFIED Pertnerロゴですら同様。このページ全体のデザインもMicrosoftが運営するWindows関連サイトと似通った色調が使われていて、知識のない者が見れば提供元はMicrosoftだと誤解しかねない。
 一番作りが(作為を感じるほど)不親切なのは、直接リンクでダウンロードが始まってしまうプログラムが、動作が完結した製品版なのか制限付きの試用版なのか、どこにも表記されていない点だ。
 アプリケーションでスキャンを実行すると、レジストリ内で不要と推定される項目を列挙してくる。ところが、不要項目の削除は有料版へアップグレードしないと実行できない。
 最近のアプリケーションはプログラムグループ内の自身のフォルダにアンインストール用のショートカットを登録していることが多いが、このUniblue Registry Boosterにはない。コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」で項目を選択して削除すればいいのだが、インストール後にはWindowsログオン直後にアプリケーションの一部をメモリ上に常駐させてしまうため、削除前にユーザが手作業でこれを終了させてやらなければならない。少し知識があるユーザなら問題ないが、そもそもこのアプリケーションを使いたがるようなレベルのユーザでは対処できるか疑問に感じる。
 今回の事象が起きたユーザが、そもそもどういった操作の結果でUniBlue Registry Boosterをインストールすることになってしまったのか詳細は今のところ不明。しかし、PC起動時に勝手に起動してきて、動作は中途半端、しかも一般的な方法ではアンインストールすらできない。こんなアプリケーションを試用させられて、対価を払って有償製品版を購入しようと思う人がどれだけいるのだろう。
 今回は削除に集中したため試用などほとんどしなかったが、メーカーにはこのアプリケーションの広告方法を速やかに見直してもらいたい。