リージョナルジェット。
昨日から妻が出張で不在だった。
今日は持病の処方薬を受け取りに出かける予定で、少し肌寒かったためいつもより早い時刻に目が覚めたので6時頃には支度を始めた。
床に落ちていた昨日の新聞を広げると、社会面にMRJが駐機した空港の写真が掲載されていた。そのエプロンや背景の森に何やら見覚えがあるではないか。
…これって能登空港だわ。
13日の飛行試験で不具合が見つかったMRJの2号機が、小牧空港までたどり着けずに能登空港に降りたのだという。
記事には原因を調査中で、小牧に戻るのは早くても15日以降だと書かれていた。
では、今行けばまだいるな。
早起きできたのは素晴らしい僥倖だった。すぐブリットを走らせて能登空港へ向かう。
空港施設至近の空き地に着くと、望遠レンズ付きのカメラを抱えた若い男性が既に何人か立っている。
エプロンに目をやると、そこにあったのは確かにMRJだった。
WEBで記事を探すとエンジントラブルではないかという話もあったが、 外観には特に異常を示すような破損や汚れはなかった。
隣接する航空学園の職員だという男性が、MRJがここへ降りてきた理由を知らないかと話しかけて来られた。俺も新聞の情報しか知らなかったのでそっくり受け売りしたのだが、能登空港へ連絡があったのは着陸の10分前だというからかなり重篤な障害だったのかもねぇ、と男性は言った。
8:30頃に搭乗口にタラップが接続され、三菱の作業員達がMRJの機体各所の点検を始めた。
垂直安定板の頂部から伸びたケーブル上の部品は気流を測定するプローブか、それとも燃料投棄口だろうか。
胴体前部の客席用窓も数枚ふさがれてセンサープローブの取り付け箇所に流用されている。
こうしてみると、機体の規模は思っていたより小さい。エプロンの向こうに駐機されたYS-11と大して変わらないような印象を受けた。
トラブルを起こさない試作業務なんてない。
…とは分かっているが、こうして小牧から駆け付けた関係者には気の毒な話である。