「大きな音がします!ご注意下さい!」

 また今年もこの日がやって来た…小松基地航空祭
 去年は見送っていたので今年こそは行かなければと思っていた。
 しかし、妻の実家で農作業があると予告されていたため前日まで自宅待機を強いられてしまった。普段なら前日から県都もしくは最寄りの高速道路上のSAまで進出し、早朝のシャトルバス第1便に乗っていくのだが、このために今年は出発が当日朝と完全に出遅れてしまった。
 当然、現地に着いても渋滞に巻かれ、しかも向かう駐車場はことごとく満車。やっとのことで基地に入場できたのは11時。色々と遅すぎた。
 今年の航空祭は異例であった。
 何と、エプロンに地上展示された空自機に混じって、陸自の74式と155mm榴弾砲が展示されていたのだ。
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 しかも。
 しばらく見学していると、金沢駐屯地創立記念行事の戦闘訓練展示で聞き慣れた状況解説のアナウンスが流れた。
 えっ?ここで戦車走らせるのか???
 油断したのは大失敗だった。
 空港内滑走路に仮想敵が侵入したとの想定で、何と74式が本当にエプロン内で機動を始めたのだ。
 まぁ、エプロン舗装を痛めないよう徐行ではあるが。
 そして空自機より離れ、やや滑走路側に停止した直後、あの「大きな音がします!ご注意ください!」の絶叫が聞こえた瞬間、俺は我が目を疑った。
 74式が主砲を発砲した。しかも2発。
 記憶する限り、基地内の展示エリアに陸上自衛隊の装軌車両が入ったのは初めてではないか(装輪車両や牽引車両なら珍しくないが)。何となれば、戦時中の海軍航空隊基地当時に遡ってみても、である。
 しかも機体が並ぶエプロン上で、空砲とはいえ本当に発砲するとは!。
 これまで開催されてきた空自の他基地の航空祭でも初かもしれない。
 小松空港ターミナルを背に強烈なマズルフラッシュを放つ74式なんて、分かっていたら絶対に撮ったのに!。
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 翌日、出勤するとHさんが「係長が行くって言うんで面白そうだと思って私も行ったんですが…暑過ぎました!」と、真っ赤に日焼けした首筋を示して言った。
 彼女も俺とほぼ同時刻に現地に着いたらしいが、何故か渋滞にはまらずオープニングからほぼ全ての展示飛行を見学したという。
 何か、今年は悔しすぎる…。