干し芋。

 職員玄関を出ようとしたところで、職員向けに無人販売されている干し芋に気が付いた。
 一袋150円と書かれている。

 若い頃、茨城県東海村へ旅行したことがある。その時にお土産として持ち帰ったのが当地で有名な干し芋だった。何故か「干し芋」からRPGでよく保存食扱いされる「干し肉」を連想した俺は長期保存が効くものと思い込んでしまい、その干し芋が入ったパックを現地から持ち帰った観光パンフレットなどと共に自分の部屋の本棚の隅に常温で置きっ放しにしてしまった。
 そしてその存在を思い出したのが10年後。もちろん既に食べられるような状態ではなくなっていたが、俺はそのままそれを本棚に押し込め直した。それから更に長い年月が経ったが、実家の親が俺の部屋の片付けをしていなければ、干し芋は多分そのままそこにあるはずだ…。
 
 オーブンでちょっと炙って食べると甘さが良く出る。そのままかじってもよし。