T221。

 購入しながら使用していなかった、IBM製の高解像度モニタT221。発売当時は専用のグラフィックボードとセットで200万円した怪物だったが企業のリース明けか数万円で買える中古品が大量に出回ったのが数年前のこと。
 T221で最高解像度で表示を実現するためにはDVI-Dで2系統同時出力可能なビデオカードが必要なのだが、これがなかなか見当たらず、またビデオカードを取り付け可能なデスクトップPCを持たなくなってしまったので使いようがなく放置状態だった。
 PRECISION M6700のドッキングベイには2系統のDVI-D端子が装備されている。恐らくこれで表示可能ではないかとずっと想像していたが、なにせ狭いアパートで重くて巨大なT221を取り回すのが面倒で全く手をつけてこなかった。
 今年に入って仕事で医療用の高精細モニタを何機種か比較検討していた際に、解像度だけだったらウチのT221は負けていないんだがなぁと思っていたのだが…。
 
 今夜、妻が出張に出発したためアパートは俺一人になった。部屋の中を引っ掻き回して機材の調整などできるチャンスはあまりないのでこの機会を逃さずT221を引っ張りだして表示テストを行った。
 その結果…。
 無事、表示成功。ほとんど何の調整もいらなかったし、意外にもDVI-Dは1系統だけで最高解像度である3840×2400ドット表示ができた。この点は思い違いをしていたようで、そもそも解像度だけなら最初から3840×2400が出せるのだが、問題はリフレッシュレートが最低の12〜13KHZ止まりになってしまう点だ。2系統以上で接続することでリフレッシュレートを上げられるという話だったのだ。
 まぁ静止画表示なら何も問題はない。ブラウン管当時のようにリフレッシュレートが静止画表示にも影響していた頃ならともかく。
 それにしても、こうして実際に見てみると表示色、視野角ともに個人利用では贅沢過ぎる性能ではないか。デジカメ画像の調整も大面積かつ高精細で行えるので非常にやりやすくなった。
 フィギュア撮影時の背景代わりにもできるかもしれない。
 
 …さて、1時間ほど高性能を楽しんだ後、T221は再び取り外され部屋の片隅に元通り片付けられた。
 何でかって?。そりゃ、こんなデカイもの置いとくスペースはないからだ。
 俺の専用の部屋があるわけでなし、テーブルに置きっぱなしにしていたら妻に殺されるだろう。