写真と動画が撮れちゃうMP4Player!(原文ママ)。

 さて、この途中、DQNの殿堂ドン・キホーテに立ち寄った。客層悪いことこの上ない店だが、自分から見て県都を出る国道のちょうど出口にあたる位置に建っているため、買い物忘れがあった場合にたまに使うことがある。
 先日、ここの家電売場でちょっと気になるものを見つけてしまった。
 NX-M4。NEXTECなる聞いたことがないブランドで、販売元はFRCという会社になっている。
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 普段なら大して気にも留めないのだが、長年使ってきたクリエイティブの傑作MP3プレイヤーMuvo2FMがあいにくと故障中で予備機も実家にあり、ブリットの車内で満足に音楽が聞けないことが非常に苦痛になっているところに目に止まったのがこれだった。
 MP4プレイヤーと銘打って、4GBのメモリを内蔵し、MP3形式はもちろん、WMAOGG、APE、FLAC、WAVに対応、さらにXVIDやFLVなどの動画再生も可能と謳われている。130万画素のカメラも内蔵、これだけ揃って4,900円…。
 この時は、NX-M4についてあまりにも情報がなかったため見送ったのだが、あまりの多機能に不釣合な低価格に地雷臭を嗅ぎつけながらも、最悪MP3プレイヤーとしてさえ使えればいいんだと考え始めたところで購入決定。
 N氏からの「…やめとけよ」という視線はきっと気のせいだろう。改造Muvo2の32GBの大容量にはとても足りないが、しばらくしのげればいいんだ。
 …さて、実際に使ってみての感想。
 電源の入れ方が分からない。スライド式の電源スイッチが側面にあるが、これを操作しても電源が入らなかったり、逆に電源を切ることができなかったりする。内蔵電池への充電が電源オンの状態でしか行われない仕様なのと関係があるかもしれない。充電はデータ転送用を兼ねるUSB端子経由で行う。
 MP3プレイヤー。手持ちのファイルを4GBのマイクロSDHCカード経由で読ませることでほとんど再生できた。マニュアルに全く記述がないものの、プレイリストの作成も可能らしい。フォルダ内全再生は今のところできない。外部メモリ上にあるファイルは最低一度は手動選択して再生しないと、次回からの既定リストに反映されない。正確かどうかは分からないがグラフィカルなイコライザー表示がある。ヘッドホンを使えば意外にもなかなか音質がいい。曲によってはMuvo2より聴きやすいものがあった。本体だけの場合は残念ながらモノラル再生のみ可能。再生開始時は必ずフェードインから始まる。プレイヤー内の設定にフェードのオン・オフ項目があるにも関わらず、設定内容が反映されない。
 ムービープレイヤー。どっかから入手した地デジキャプチャのDIVXファイルは不可、それはおろかXVIDもFLVもものによっては不可。どうやら再生可能な解像度が相当低いらしい。上限の切り分けは時間がなくてできないが、唯一再生できたFLVファイルは動画部分が静止画のものだった。この手の製品ではYoutubeの標準画質動画をFLVで保存したものを念頭に置いているはずだが、それらがほとんど使えなかったのは残念。
 画像ビューア。搭載液晶モニタが2.4インチで相当小さく、また解像度も正確な値は不明だがかなり低いらしく、長辺640ドット程度の画像を表示するとリサイズ時の間引きがかなり目立つ。またパレット展開に失敗しまともに表示されない画像も少なくない。
 デジカメでの静止画撮影。解像度は640*480から2048*1536まで選択できるが、最高画質まで上げてもほとんど画質は変わらない。おそらくレンズの品質の問題だと思うが、低解像度の画像をスムージングで無理やり引き伸ばしたような画が生成される。黎明期のJ-PHONEの写メールを思い出した。ズームはデジタルのみで、広角側の画角は35mmフィルム換算でおよそ30mm〜40mmといった感じ。
 デジカメでの動画撮影。320*240が最高解像度で、内蔵マイクが貧弱なためか、拾える音は撮影者本人の声や衣擦ればかりの印象。ワーキングディスタンスはおよそ15cm。ズームはデジタル・光学ともなし。いわゆる「コンニャク化」(左右のパンニングなどを行うと画像がグラグラと揺れる現象)が発生するが、思ったほどではなかった。
 その他。音声のみの録音やFMラジオの視聴が可能らしいが試していない。本体からRCA変換ケーブルを使ってテレビへ本機の表示を行えるらしいが、再生できる動画ファイルがかなり少ないのを見る限り動画ビューアとしては相当使いにくい。それから、本体のサイズはパッケージにある実寸写真どおり、かなり小さい。そのくせ、ストラップなどを通す穴などはなく、すぐに落として傷だらけにしそうな印象。
 製品の化粧箱は何とマグネット式でフタが開閉可能、中には赤のビロード生地とスポンジで本体の保持材が作ってあって、一見大変な高級感がある。もちろん、底上げ式の内部を開けるとすぐに化けの皮は剥がれてしまうが…。
 添付品はRCA変換ケーブルとステレオヘッドホン、ACアダプタの代わりとして、AC→USBコンバータとUSBケーブルのセット。これに、極めて簡単な日本語マニュアルが申し訳程度についている。
 外部メモリとして4GBまでのマイクロSDHCカードまで使えることになっているが、せめて8GBくらいまで対応していればよかった。今時4GBなんてそれほど大容量とは思えない。

 実売5,000円以下でここまでできればいい方なのかもしれないが、できればメーカーにはもう少し使えるファイル形式を詳細に明記しておいて頂きたい。外箱の記載は情報不足に過ぎる。