シリコンメディア。

 昨夜、夕食を買おうと近所のコンビニに行った際に異常に気が付いた。
 IS11Tの動作が重く電話が起動できなくなっている。
 まぁ、IS11Tの動作が重いのは今に始まったことではない。OS旧式化、容量不足に処理速度不足と三重苦で決して他人に薦められた機種ではなかったが、気付けばアプリでメモリリフレッシュを実行してやれば何とか実用に供することができる(というより、しないと半日で動作しなくなる…)のだが、今夜は極端だった。
 メモリクリーナアプリも起動できない状態だったので、一旦電源ボタンを長押しして強制電源断。その後直ちに電源投入し、いつもどおりホーム画面に辿り着くまでにしっかり5分ほどは待たされる。
 ところが表示されたホーム画面でSDカードのチェックが終わっても、SDカード上に保存しているアプリのアイコンがAndroidデフォルトのドロイド君アイコンばかりなのだ。すぐにSDカードの異常であることには思い至ったが、今までも一時的にアイコン表示が異常を来すことはあったのでアパートに帰ってもう一度電源投入からやり直してみた。ところが今回はそれでも改善しなかった。
 となれば、SDカードでファイルシステム上の不具合が発生した可能性が高い。
 IS11TからmicroSDカードを取り外してPrecision M6700で認識するかチェックすると、ストレージとして認識はするものの本来合ったはずの多数のディレクトリが消失していた。何ということだ…。
 ちょうど1ヶ月前にPC側へSDカード内のディレクトリ群をすべてバックアップしてあったが、もちろん今日時点に復元できればありがたい。
 というわけで、いつもの様にFinalDataでサルベージを…と、俺の脳は思っていたと思う。ところが何故か手はコマンドプロンプトCHKDSK /Rを叩いていた。もちろんEnterキーも。
 しばらく自分が何てことをしでかしたのかきちんと理解していなかったが、処理が終わったあたりで気が付いた。信じられない、FinalDataでほぼ確実に救出できていたはずなのに、CHKDSKを実行したせいで破損していたディレクトリは名前も消失しすべてルートディレクトリに吐出されてしまった。
 こんな簡単な事で手順を誤るとは、やはり歳には勝てないようだ。
 遅ればせながらFinalDataで全セクタからファイル検索を実行するが、見つかるのは当然ながらCHKDSK後の自爆させたディレクトリ構造にあるファイルだけだ。
 仕方ない。1ヶ月前にタイムスリップしかない。
 フラッシュメモリの寿命を何も考慮していなかった我が身の愚かさから出た失敗だ。