炎天下。

 当院と他医療機関との交流ソフトボール大会が開催された。
 俺はこの大会を取り仕切るSさんから写真撮影を依頼され、朝から機材一式を準備して会場入り。
 当係からはボスやTさん、I君もスタッフとして参加。
 懸念されていた台風も結局回避され素晴らしい好天となった。
 I君は自宅から軽トラックを大会機材運搬用に供出したが、Sさんはその荷台にビニールシートを敷かせると最寄りの漁協へ向かわせた。何をするのかと思っていたら荷台に300kgほどのクラッシュアイスを積んで戻ってきた。そこへ参加者へ配布するペットボトルや缶ジュース・ビールを200本ほど埋めて巨大なクーラーボックスの完成である。
 
 撮影機材にはEOS 6Dと標準ズーム、KissDXと500mm、ついでに先日購入したSD1Mを投入。
 I君に状況を見ながら6DとKissDXを貸して手伝ってもらい、試合経過を随時撮影した。
 どのカメラもスポーツ撮影には全く不向きだがそれしかないのだから仕方ない。
 
 SD1Mは今回使うつもりはなかったのだが、6Dを持たせたI君を試合中に見失ってしまい急遽使用することにした。
 今回初の本格使用となったSD1Mだが、SD14と比較して何より電子機器として動作が非常に安定していて感動した。何を当たり前のことをと思うかもしれないが、SD14は撮影条件によってはCFへの書き込みが極端に遅延しフリーズ同然になることが多く、一人で時間に追われず撮り歩きする時以外はとても実用に耐えない面があったのだ。またAF精度も本当の意味で実用レベルになっていて、今日の撮影で不便を感じることはなかった。
 良いことばかりではなく、特に逆光時にファインダ像が極端に暗くてまともに被写体が見えない場面があった。ちょうどF値22くらいまで絞って絞込確認ボタンを押しっぱなしにしたような感じだ。AFは合焦するしレリーズすればF値開放でも撮影に成功するのだが、これはキットレンズ18-200mmのせいなのか、あるいはボディ側の絞り制御の故障だったのだろうか。
 また、AFポイントの選択ができなくなる場面があった。それらに気が付いた時はグラウンド上で撮影を初めて1時間以上経過しており、直射日光を浴びて本体の温度が高くなっていた頃なので、熱暴走など一時的な不具合が起きていた可能性がある。
 いずれもEOSでは発生しない現象なので、SDの完成度の問題と言えばそれまでだが…。
 
 撮影できた画像については現像途中だが、やはり解像感は高いがとにかく階調が薄過ぎる。ISO感度は100〜400の範囲で自動設定に任せていたが、スコアボード1枚の画像を見てもSD14のISO800での撮影かと見紛うような粗削りの変化が随所に現れていた。現像設定である程度軽減できると思うが、これも相変わらずSDの弱点だ。
 色合いは、黄色に転び過ぎるSD14に比べればかなり自然で記憶色に近い印象になっていると思うが、ホワイトバランスは自動にしていると若干適切なモード選択ができていない場合があった。後はキットレンズの問題で、SIGMA製レンズの共通の欠点だが逆光に極端に弱い。試合時間が伸びて日が傾いてくるとどんどんコントラストが薄れてきた。SD1Mで使える外部フラッシュはないので日中シンクロも使えず、打者を撮るなら順光になる打席に入る打者だけSD1Mで撮影するような状態だった。
 JPEG撮って出しは避けるべきだと感じる。
 
 I君は試合終了間際になって戻ってきた。ずっと直射日光に当てられていて体調が悪くなったのかもしれず、俺の配慮が足りなかったかもしれない。