後5年早かったら。

 午後から先日実施された災害対応訓練の反省会が医事係周辺の参加者で行われた。様々な意見が述べられる中、この訓練に関して先日I君と衝突したOさんは…当日は俺とペアで職員の配置支援に従事したのだが、予想通り反省会では全く意見を述べず、部屋の隅で静かに意見を聞いていた。あれだけ不満を持っていたのだからと、何も意見はないかと俺から催促したが「ありません」との返事。頼むから、来年の訓練前に思い出したように文句を言うのはやめてくれよ。
 
 さる通信インフラ企業の営業部長から、市内の光ファイバ網の展開について今後希望する拠点施設をいくつか考えておいてもらえないかと依頼があった。
 実は先日、首長に当該企業の支店長が挨拶に行くので光ファイバ網を使用したサービスの要望を首長の口から出させてほしいと根回しを依頼されていた。そうすればサービス展開の社内的な口実にできるというわけだ。前職の後輩達に方針案を伝えて事業化とまでは行かないが、机上の空論をぶちあげて…その机上の空論とは、俺や先輩が散々事業化を試みながら予算化されなかった高速インフラに関するサービス案そのものなのだが…それを確約を取らないまでも、希望として首長に説明させるよう段取りをしておいた。ただし、10年ごしで種々改定を加えながらも結局採用されなかった案である。独自整備の負担を代替してくれる企業が現れたからといって、今更前向きな感触が得られるとは思えなかった。
 今日になって営業部長から挨拶後の懇談の結果を聞いた。首長が元々気にしていたとある施設の旧式回線を光ファイバ網でリプレースしてほしいという、そんな話は後でいいんだと言いたくなるような矮小化された話題にとどまったとのことだ。予想通りで、市内にわざわざ誘致したCATV事業者のインターネットサービスと直接ぶつかる案件のため、一言出てきただけでも意外と言えた。そもそも、光ファイバ網の展開が最初から決まっていたら、地域情報化のための高速ブロードバンド整備が柱の一つであったCATV事業者の誘致そのものに影響があったに決まっているのだ。
 それでも今回こちらで任意の施設への導入を希望しておけば、その施設への敷設が実現するかどうかは別にしてインフラ企業側で当該局舎の改修作業の必要性が出てくるので、その周辺の一般世帯には光による最高速のブロードバンド環境整備の芽ができるからどうにかして可能性は残しておきたい。そうでなければこんな田舎に光ファイバーなんてもう来ることはないだろう。
 今のところ拠点施設として最も高速回線が必要になるのは他ならぬウチの病院だ。しかし今回の話はこちらにとってメリットが大きい反面、営業部長の営業活動の一部であることも否めない。他に選択肢はないことは明らかだが、我々がこの段階で関与していることが後で問題になることがないよう、適切に検討してほしいと後輩に申し送る。