メンタルケア。

 今日、ある科の窓口の派遣職員さんの配置がいつもと変更されていた。一人休んだためらしい。昨日、マネージャに手ひどく怒られて泣いて帰って行った人の一人だ。
 夕方になってボスからその人が昨日の出来事の後体調を崩してしまい一定期間休むことになったと聞かされた。少し前からマネージャの業務指導に耐えかねており、昨日の一件が止めとなって情緒不安定に陥ったようだった。
 そのためか、マネージャは普段よりも物静かに部下に接しており、レセプト作成のため残業を申請してくる部下たちに向かって無理はせず早めに帰宅するよう促している。
 このマネージャは当院着任時に、自分のやり方でマネージメントしていくが半数の退職は織り込み済みだと明言したという人物だ。それは派遣事業者内の問題として完結・解決できるのなら言うことはないのだが、一方で派遣職員さん達の大部分はこの小さな田舎町で子供の父兄会や近所の顔見知りであったり、派遣職員さん同士でも正規職員とも職場の外で色々なつながりがある人々でもある。給与でも立場でも弱いこの人達に問題が起きているのを見て、別組織の他人ごととして無視できるほど皆が冷酷というわけでもない。昨日指導を受けた派遣職員さん達に動揺が見られるため、ウチのボスが秘密裏にフォローに回るつもりらしい。
 パワハラとの境界は俺の目から見ても既にかなり曖昧になりつつある。