作業が続く。

 忙しい。
 昨年から続けている出先施設のWAN接続作業が今年の佳境を迎えている。
 今年の作業では、予算を削減するため業者に委託すべき作業の一部を我々自身で行うことにした。幾つかの部署の人間を集めれば手数は揃うと踏んだのだが、このやり方については異論も多かった。費用の圧縮は業者の営業努力で実現すべきで発注者側で肩代わりなどするべきではない、と。
 というわけで作業期間の全般で期待していた人では集まらず、半分以上は俺が一人で実施する羽目になった。
 大した作業じゃない。業者が設置する出先施設ごとのVPNルータとゲートウェイに合せて、既存の数十台のクライアントPCのネットワーク設定を書き換えるだけだ。その結果俺の管理するネットワークと接続できるようになる。
 そこで欲を出して、今後の保守に必要なソフトウェアもクライアントPCに導入して回ろうと思ったのがまずかった。一台あたり5分で終わるはずの作業が20分以上掛かるようになった。
 しかも現地作業期間に入ってから、VPNルータの設定が完了しないとクライアントPC側の作業も完結できないことが判明したから尚悪い。一日あたり2箇所回れるはずが1箇所終われば御の字という、あまりの段取りの悪さである。
 悪いことは続く。春から夏にかけて別業務で多忙だったためこの作業の発注が遅れてしまい、そのせいで必要なルータの納品が大幅に遅れてしまった。本来予定の一ヶ月遅れである。お盆休みで施設が休業できる時期も過ぎ、作業実施可能な期間も限られているため、関係者からは苦情も出る有様だ。
 8月一杯の一次作業に続き、9月から納品されたルータを携えての二次作業が始まる。
 これ以上何もトラブルがなければいいが…。