出先と本社。

 出先施設のネットワークを管理する先輩から、ネットワーク増強作業にあたって、こちらのネットワークバックボーンについて回線提供事業者からの情報を元に知らせていた話が随分違っているようだと苦情の電話。
 新たに設置する回線をこちらのバックボーンに接続する計画なのだが、接続点に置くルータに用いるグローバルIPを取得するためには既にリースされているグローバルIPを全て一度リリースし、連続して空きのあるアドレス帯を再リースしなけれなならないと事業者から説明されており、その条件に従って近年のネットワーク拡張を行ってきたところだった。
 既存のグローバルIPを全て変更することになれば各公開サーバやDNS、F/Wに設定したIPも全て修正する必要があり保守業者側に委託する有償作業も安くはない。グローバルIPはバックボーン接続契約時に所定個数のリースを受けていたがその後使い切ってしまい、今後ネットワーク拡張の際にはどうしていくか懸案になっていた。
 これに伴い新たな機器設置には制約が出ており、先輩が企画した接続計画もこの作業分の必要経費負担の上乗せが難しいことが問題とされていた。しかし先輩が事業者と協議する中で、非連続アドレスでも全く問題なく追加確保が可能であり、連続アドレスでないと確保できない理由がないとの説明を受けたとのこと。また接続点の位置についてもやはりこちらから提供していた案があったのだが、それも不適切と逆に指摘を受けたようだ。
 話の齟齬の原因として、先輩は以前から知己のある事業者本社の技術役員と話しており、こちらは地元支店の技術担当者からの情報を元にしているためだと考えられた。業務本来の窓口を考えると先輩と技術役員のルートは筋が違うが最も信頼できるものでもあり、今後の協議は全てそちらで統一してはどうかと提案して電話を置いた。
 すぐ地元支店の担当者に連絡し、今聞いた話についてどこまで事実なのか確認した。担当者はその打ち合わせに同席していたと言うものの、俎上に上がっていたグローバルIPがどの回線契約で提供されたものかよく理解していない口ぶりである。もし事実なら、ここ数年足踏みしていた公開サーバ増強などもかなり容易に実施できた可能性が高い。
 何やらがっかりする話であるが…それはそれで、今後は少しやり易くなるというものか。