主管部門。

 当院の診療記録を地域のクリニック等とネットワークで共有するオンラインサービスの道入の準備を進めている。県からの補助金を元に構築するサービスだが、当院と周辺のクリニック等の間でのこれまでの情報共有の頻度からみてコストパフォーマンスが悪すぎる。しかしながら県と県医師会が主導しほぼ全ての地域で構築される予定のサービスに当院が参加しなければ、地域のクリニックから何と言われるか分かったものではない。
 話自体は昨年からずっとあるもので、自分も前任の先輩から引き継いで医師会の説明会等に顔を出していたが、主旨と大凡のスケジュールは当時から決まっていたようで自分は構築についてはもちろん行い、また院内の関係部門はこの話に同意しているものだと思っていた。何せ具体化してから既に6ヶ月、稼働までも残り6ヶ月を切っている状態である。
 ところが今日になって、本来の診療情報の交換主体である地域連携部門がこの計画を知らなかったことが判明した。事務局長隣席の事務担当者打ち合わせで、ウチのボスが地域連携部門の責任者を呼ぼうとしたところ事務局長から「まだカネの話しか出ないのだから出席は不要」と止められた。しかし残り時間が少ないので状況の報告だけでも、と俺が説明に言ったところ連携部門は「…初めて聞きました」と渋い顔。
 予算は財務部門、システム構築は電算部門でやるのはわかるが、使う側が誰なのか全く検討されていなかったわけだ。実運用方針等はまだ未確定のことも多いが、その検討にあたっては連携部門の意見も重要なはずで、何を思って事務局長が説明を先送りしたのかわからない。ただ今日説明に行かなければ再来月くらいまで連携部門は知らないままだったと思われる。
 使いたくて整備するのではなく、整備しろと言われたからそうするので最初から事務局長の頭にはどうやって使うかという根本的な問題は入っていなかったのだろう。
 それにしても猫(ネコ科というだけで実質タイガーII)に鈴を付けに行った俺が悪者になりかねなかった。今更言いにくいので俺を使ったということか。局長め。