ダブルスタンダード。

 今日は職場の監査があったが、散々な結果だった。
 あれだけ前日までに資料の整備をするようにと依頼していたにも関わらず事務局の仕事に取りこぼしが多く、代わりに直前になって医事課が作って対応したものがあった。大したものではなく院内の掲示物が正確かどうか、確認して作り直すだけの簡単な作業だったのだが、前日になっても全く手が付けられた様子がなかったのでうちのボスから代わりに作れとの指示。
 そんなことより、本当に施設基準の届け出と実態に乖離ができていないか確認して、問題があれば改めておいてほしかったのだが、結局院内のきちんとした打ち合わせも行われないままで危険個所の情報共有がないままとなっていた。
 ほとんどの箇所は各部門からの必死の説明で監査員に了解してもらえたのだが、1箇所だけ、たったひと組の机と椅子がなかったばかりに施設基準未達成と判断されてしまい届け出の辞退を求められることになってしまった。
 さらにいくつかの点については判断が保留され、追加調査を受けるためさらに資料整備した上で改めて説明に出向くことになった。
 
 情けないのはやはり事務局長の言い草だった。「仕方ないじゃない、返還すればいいんだから」
 終わった後の医事課内は事務局への怨嗟の声であふれかえっていた。高い人件費を払って人手を確保し、人間の作業だけなら基準を満たすよう運用を定めて動いていたのに、施設側の確認漏れでその努力が全部無駄になった。しかも普段はあれも請求しろこれは使うなと散々口を出してくる側が、自分達のミスなら手のひらを返して「仕方ない」とはどういう了見なのだろうかと…。