忘年会。

 で、今夜は課の忘年会。例年はビールより酒、洋食より和食がこのみの中高年のおっさんばかりの職場であるためか旅館などのお座敷宴会がほとんどだったが、今年の幹事は趣向を変えて海の見えるカフェレストランを借り切ってテーブル形式のバイキングを企画。これはそのレストランの料理の良さも相まって大当たり。
 ウチの係の一番の若手K君が仕事で遅れるという。彼が到着するまでその後の出し物を待つことになり、隣の係のS君が持ち芸のモノマネで時間を稼ぐが、よりにもよってその場にいる課長のモノマネを始めて場内は爆笑、当人は苦笑。確かに似ているが本人の前でやるか。
 S君のその後の処分を考えない捨て身の積極的攻勢で時間稼ぎは成功し、終わった所でK君到着。
 ところが着いたばかりのK君から突然の入籍発表。お相手は8年ほど前から交際していた元同僚とのこと。実はK君が住むアパートは俺のアパートの目の前で、お互いに生活が丸見えの状態。というわけで数ヶ月ほど前から2人が事実上同棲していることは知っていたのだった。彼女に片思いしており「スキあらばいつでも」と公言してはばからなかった後輩が同じ職場におり、この後しばらく何となく微妙な雰囲気が漂うのだろう。
 K君の後、なぜか俺も舞台上に引っ張り出されて入籍の挨拶をさせられる。確か課の旅行の席でやったし、何度もやると興ざめだろうと思ったのだが場の空気を読んで挨拶実行。いきなりのことで何を話して良いかわからず、たまたま招待で出席していたナンバー2への挨拶をしていなかったことについて、担当秘書のリーダに尋ねたら「いらないわよそんなこと!」と言われたので遠慮した、と正直に喋ってしまった。俺のバカバカ。当然、その後リーダにこっぴどく叱られるはめに。また改めて謝りに行くことになるだろう。