スカイウォーカー。

 翌朝は9時出発の予定だったが昨夜の疲労がたたり眼が覚めたのは8時40分。
 飛び起きてぎりぎり9時調度に荷物を抱えてロビーに駆け下りると、幹事達がいきなり困り果てている。昨夜深酒し過ぎたN主任が起きてこないのだ。
 今日走ってくれるバスはとっくに到着して全員乗車完了している。
 携帯を鳴らしても部屋のドアをドカドカ蹴飛ばしても全く応答なし。死んでるんじゃないか?という心配に幹事長は「もう捨てていきましょうあんな飲んだくれは!」と宣言して、何と本当に出発してしまった…。
 
 2日目は、ベイブリッジを徒歩で渡れるというスカイウォークへ向かうことになっている。。
 あんな長い橋を徒歩で渡るの?と聞くと、途中に観光施設があるくらいだから景色か何かで見所があるに決まってますという幹事の説明。
 ところが、この日は横浜マラソンの開催日で主要道の多くが通行規制されていて、手違いでこのことをバスのドライバーさんは知らなかった。ベイブリッジも通行止めになっていると規制中の警察官に聞かされた我々は、ベイブリッジのたもとのパーキングでバスを降り、そこから1kmほどを徒歩で移動する事になった。
 スカイウォークに着いてみると、いかにも集客が見込めないと分かっているのに建ててしまい惰性で運営を続けている公営施設と同じ空気が流れている。嫌な予感…はあたってしまった。入り口からベイブリッジの橋脚を上っていくと専用の歩道がベイブリッジ橋体の裏側に張り付くように伸びており、数百mほど先に展望施設がぶら下がっている。
 転落防止のために張り巡らされた鳥かごのような通路を、フラフラと歩く我々。
 これは…幹事には悪いが何が面白いのかさっぱり分からない。景色は港湾施設が見えるだけ、折り返し点の展望施設にも特別な展示はなく、双眼鏡で港湾施設のクレーンをじっくり眺められるだけ。
 入館して1時間も経たずにご退場。
 
 午後一番に飛ぶ飛行機に乗るため、観光はここで終わり。そのまま羽田空港へ送り届けられた。
 実はこの旅行に参加しなかった我がボスから、崎陽軒という専門店のシューマイを買ってこいと命じられていたのだが、昨夜中華街に辿り着いた時には店がもう閉まっていて買えなかったのだ。まぁ明日買えばいいだろうとのんきに構えていたら、空港の中の土産物屋にもない!。これはマズい…。
 昼食の時間も削ってI君と手分けして港内を調べたが、やはり見つからない。他の専門店のいかにもそれなりに高そうなシューマイは置いてあったので、何か言い訳してこれを代わりに渡すことに決めた。
 他の人たちへのお土産も空港内で揃え、出発ロビーへ移動する。いつの間にか、置き去りにされていたはずのN主任が我々と一緒に歩いていてびびる。
 さて、長い長い通路を通って出発ロビーに入ると、何とそこの売店崎陽軒のシューマイが売られているではないか!!。
 私のカバンには既にアホほど別の店のギョーザが入っているので一瞬迷ったが、結局崎陽軒のも買ってしまった。

 ああ、ムダだった類似品はどうすれば。