体力ゼロ。

 食事を終えて店を出た我々は、既に疲労を訴え始めた課長等をタクシーに乗せてホテルへ送り出し、そのままそれぞれ2次会の舞台を求めて中華街に繰り出すことに。
 アルコールに弱い私は他の若手数人と、この近くにあるという関帝廟を目指して歩き出した。黄色と赤を基調にした…というより他の色彩が存在しない看板の群をかきわけるようにして進むと、到着時にくぐった西門よりも巨大な廟の門に出くわした。

 同行したT氏は三国志に造詣が深く、各地の華人街では必ず関帝廟に参詣しているという。
 残念ながら時刻が遅かったため廟内に入ることはできなかった。
 T氏と廟の記念写真を撮っていると、別行動を取っているはずの幹事とI君からTEL。酔うとクセが悪いと評判のN主任以下が横浜駅近くのカラオケに入ったので全員すぐに来るようにとのお達しだ。
 我々は全員「行きたくないよなぁ」との思いだったがそれぞれの携帯にしつこく呼び出しがかかるので、中華街でこの時刻でも開いている土産屋でシューマイを買い込んでタクシーに乗り込んだ。
 着いてみると既にN主任は大暴れした後で既に疲れて眠り込んでいたのでコレ幸いに帰ろうとしたとたん、N主任は眼を覚まして勝手に1時間延長を申し込みやがった。私も疲れて眠いのだが仕方ない。この飲んだくれのオッサンを連れて帰るのも仕事だと思って耐えようか…。
 気が付けば、私も座ったまま眠っていた。目の前でやたら鋭い明かりがちらつくので気が付くと、どうやら幹事がこの間抜け面をデジカメで撮っていたらしい…。油断も何もあったものではない。
 日付が変わって1時、ようやくホテルに戻った。