仕事を休んで。

 昨夜痛飲したため、ホテルで目を覚ましたのはチェックアウト時刻ギリギリだった。
 平日に部下や同僚が働く中、仕事を休んで独りで自由に過ごす時の開放感と来たら全く言葉に表せない。
 
 片町に出て、ブリットをパーキングに入れたまま徒歩でベルセルへ向かった。香林坊大和で開催中の「鬼滅の刃 全集中展」の当日券を購入できないか、館内のローソンで試すためだ。
 Loppiを操作して全集中展の入場チケットを検索すると、ほとんど同じ名称のチケットが2つ表示される。一方は完売だがもう一方はまだ買えるので決済しようとしたが、よく見ると音声ガイドの貸し出しチケットだった。入場チケットを購入できなければ意味がない。未来日のチケットも検索したが、行けるかはっきりしない日しか残っていなかったので断念。
 代わりにエムザで開催中の海洋堂フィギュア展を見ることにした。海洋堂の黒壁ミュージアムには何度も行ったことがあるが、最後に行ったのは何年も前なので新作があれば見たいと思ったのだ。
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 いつ見てもこのセイバーの完成度は素晴らしい。
 一巡して会場を出たところで「ああ女神様」の3女神像が展示されていたのが一番の見どころだったかもしれない。
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 なぜなら3人とも黒壁ミュージアムでは吹き抜けの上に展示されていて、こんなに間近に鑑賞できたのは初めてだからだ。

 正午を少し過ぎた頃、F氏と市内で合流して彼が行きつけの回転寿司店で昼食となった。F氏は昼限定のランチセットを食べたかったそうだが、あいにく今日はメニューから下げられていた。
 偶然、俺が学生の頃から通っている理髪店のマスターが孫娘2人を連れて来ていた。初めてその理髪店に行った頃、2人の娘さんはまだ小学生だった。今ではどちらも結婚し、マスターは時々こうして孫たちの面倒を見て過ごしている。
 あっという間だ。時間など。
 
 夜、F氏と別れた後にN氏から連絡があり、遅い夕食を取ることになった。結局いつも最後はこの男だ。出会って25年以上経つが、いい意味で全く変わらない。
 彼の自宅へ迎えに行き、彼に案内された店で二人でしゃぶしゃぶを突きながら閉店まで話す。
 N氏は最近仕事で受けるストレスが強いようだった。コロナ禍でどの企業も営業スタイルが変化していく中、主力の営業部隊であるN氏達も無理を強いられるようで、いずれ別部門に異動できるよう資格取得を始めていると言う。
 戸建てを買った後で転勤リスクが怖くないか聞くが、当人はそれほど心配はしていなかった。元々存在しているのに持ち家の有無で何が違う、ということか。
 お互いの趣味で、カネを掛けるポイントや理由が話題になった。
 N氏の趣味である磯釣りについて、俺にはN氏の竿コレクションの違いが分からない。竿によって釣れる魚種が違う理由もよく分からない。かたやN氏は俺がブリットに積んでいる複数のカメラや三脚の違いが分からない。お互いに解説し合うが「でも、それじゃなくても一応は釣れる/撮れるんだよね」との考えを払拭することは難しい。
 ほんの少し向こうにある目標へ距離を詰めるため努力をするか資金を投じて道具で努力を埋め合わせ、また新しい目標を見つけて同じことを繰り返す。いずれにしてもやっていることは二人とも同じはずなのだが、いかんせんお互いにその価値観を理解することができない。
 お互いにその成果をきちんと見たことがないからか。