Office2010のクイックアクセスツールバーをOffice2007へ移植する。

　自分に貸与されているPCの中に、つい先日までWindowsXP＆Office2003環境のものがあった。
　セキュリティ上の不安が喧伝されるこのご時世、予算の都合もありなかなか更新されなかったが、ようやく新しいPCが届いた。
　…WindowsVISTA＆Office2007環境が。
　かつて自分がVISTA発表後にXPダウングレード権を行使して購入したXP環境の中の１台が別部門で使い倒され、廻り回って手元に届いたのだった。

　別端末で使用しているOffice2010でリボンインタフェースと決別するためやっとの思いで作ったクイックアクセスツールバーをこのOffice2007環境へ移植しようとしてけつまづいた。
　ツールバー等のカスタマイズ結果は個人ごとのプロファイルフォルダに保存される。WindowsVISTAとOffice2007の組み合わせなら「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Microsoft\Office」に「Excel.qat」「Word.qat」などとアプリケーション別に保存されている。（https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/926805）
　同じくWindowsVISTAとOffice2010では、保存場所こそ同じだがファイルは「Excel.OfficeUI」などと拡張子が異なる。
　WEB上では、Office2007からOffice2010へクイックアクセスツールバーを移植する方法として、*.qatファイルの拡張子を*.OfficeUIへ変更して保存場所へ上書き投入する方法が紹介されている。
　同じことが2010から2007でもできないかと、*.OfficeUIファイルの拡張子を*.qatに変更して2007に投入してみたが全く反映されなかった。2010では2007からのバージョンアップに備えてコンバートできるようになってはいるが、双方向の互換性はないようだ。
　内容をテキストエディタで開いて調べる。どちらもXMLで書かれているが、最も外側で定義されている要素が異なっていた。
　Excelで比較すると、具体的には
Excel2007のExcel.qatでは「」であり、
Excel2010のExcel.OfficeUIでは「」である。
　幸いにしてここから内側の要素はほぼ同一の名称であるようだ。従って、この記載順序でいえば次に記載されている要素「」から内側をすべてExcel.OfficeUIからExcel.qatへコピーすれば移行できると思われる。
　実際にExcel2007・Word2007で試すと双方で2010とほぼ同様のクイックアクセスツールバーが再現された。ボタン押下時の挙動も問題ない。一部のボタンは欠落したが、これは2010では要素名が変更されているためだろう。


　過去のOffice97から2000や2003への移行時にツールバーの移植を行った際は単純にNormal.dotの使い回しができたように記憶している。
　ちなみにOffice2010同士でのクイックアクセスツールバーの移植については最初から機能に含まれており、ツールバーの編集画面で指定ファイルのエクスポート・インポートが可能になっている。
　2010以降のバージョン（既にOffice365や2013、個別アプリケーションが過去バージョンと同居できないと大騒ぎのOffice2016などあるが…）ではバージョン間の移植がもっと容易になっていることを期待する。