地デジ化再び。

 総合案内ロビーのテレビが朝から受信できず、B-CASカードの認識エラーを出していると窓口担当者からY君に連絡があった。
 B-CASカードが壊れたんですかね?と、Y君が元地デジ化担当の俺に尋ねてきたが…今まで山ほど地デジチューナーを扱ってきたがB-CASカードが途中で壊れたなんて話、一度も聞いたことがない。
 テレビ側のカードスロットの接点が内部のケミコンの妊娠・破裂などで接触不良を起こしているのかもしれない。当該のカードを見せてもらうと確かに端子面が奇妙な具合に変色していた。
 端子のクリーニングをするよう言ったが、既にハードウェアの保守作業をしなくなってからかなり経ち、接点クリーナーの一本もない。代わりにアルコール綿でよく酸化面を拭き上げてテストするようにアドバイスしたが、それでも認識しないという。
 じゃあテレビ側の故障だろう、と念の為に様子を見に行くと、Y君がB-CASカードを挿入する際の向きが間違っていた。裏返しに入れさせると無事に受信成功。
 ということは、今朝テレビの電源を入れる前に、何者かがこのカードを一旦引き抜いて逆向きに戻したということだ。まさかと思うがカードを盗もうと企図した奴がいたのだろうか?。
 いわゆるB-CASクラックで課金制約なしに受信できる方法が一時期出回ったが、その後の中古機材でのB-CASカード添付取りやめなどカードの入手が難しくなったところもある。お盆で都会から帰省してきた手癖の悪い学生あたりの仕業なのだろうか。
 今回はカードを盗まれたわけではなかったが、テレビを正常に動作できないようにされたわけで、Y君にカードスロットにシールなど貼ってカード抜去ができないようにするよう指示。
 
 その後事務局長から呼び出され、地元CATV局がデジタル・アナログ変換放送を終了した後でブラウン管テレビで継続して番組を試聴する方法について質問された。仕事の話より自分の家の話しかしない局長なのでてっきり自宅のテレビの話だろうと思い込み、家電店で安い簡易地デジチューナーかHDDレコーダでも購入して取り付けるよう説明しておく。
 ところが直後に施設管理担当者より全く同じ質問をされ、院内のテレビに関する話だったのだと思い当たった。院内の患者向けテレビの大部分は液晶テレビだったのでずっとデジタル化できていると思っていたが、実はほぼ全てアナログ専用だったのだ。当該テレビはどれもアナログ放送終了予告のシールが出荷時に貼られた機種で、なぜあの時期にこの機種を購入したのか理解に苦しむ。結局はデジタル対応テレビに買い換えるか簡易チューナを1台ずつ追加して受信するしかないのだが。