遭遇。

 スカイフォールは面白かった。WEB上の評判は良くない方らしいが、重要キャストの入れ替わりも描かれていたし、旧来の007と全く違う雰囲気で楽しめる。
 実はもっと面白そうだと思ったのが、本編前の新作予告編で流れた「ゼロ・ダーク・サーティ」。ウサマ・ビン・ラーディンの追跡終盤で彼の殺害作戦を描いたものだが、米軍が実際に投入したものの正体不明の「あのステルスヘリ」が登場するのだ。ステルスヘリ自体の外観等の情報は、作戦当日に脱出に失敗して爆破されて残った有名なテイルブーム端しかないはずなのだが、どこからら新しい情報でも公開されているのだろうか。
 シアターを出てロビーに向かう。もう閉館時刻が過ぎていて、劇場スタッフは誰もいない。ゲート前では警備員さんが何人か並んで出口へ客の誘導を行っていた。
 ロビーには劇場版「花咲くいろは」の公開に併せて、等身大のキャラクターパネルが並んでいた。他の客は皆ロビーから出て行ってしまった。人目を気にする心配はない。…まぁ警備員チームは、いいか…。妻には隠れてそっと写真を撮ってしまった。
 車に戻る前に一旦トイレへ。しばらくすると、先ほどの警備員チームの誰かが追いかけて入ってきたようで「トイレ内点検です、まもなく閉館ですのでお急ぎください」と呼びかけがあった。仕方ない、義妹宅まで我慢するか…。俺みたいなのがトイレに人知れず残っていて、取り残されることもあるのかも、と思いながら。
 トイレから出ると、警備員とは違う制服を来た人物が仁王立ちして待ち構えていた。
 「こんばんわ」
 おいおい、俺は怪しいことなんかしてないぜ、と言い返そうと相手の顔をしばらく見つめていたが、なんとその制服男は俺の弟だった。
 再就職した話は聞いていたが、今の勤務先はここかよ。一応本社内勤扱いだが、冬休みはDQNが大量に集まってくるのでその駆逐に動員されているらしい。ロビーで携帯電話片手にパネルの周囲をうろつく挙動不審者に気がつき、その顔を見て大笑いしたらしい。くそ、先に気付いていればあんなマネはしなかったものを…。
 時間は遅いが夜食でも一緒にどうかと都合を聞いたが、まだまだ仕事は終わらないと言う。今週土日には休みが取れそうなので、そこで帰省するかもとのこと。