制服と祖母と。

 昨夜は義妹宅に宿泊。
 早朝に目が覚めた。ゆっくりお風呂に入りたかったが、順次起床した姪から妻まで女ばかりずっと浴室を占領しているので、俺は近くにある行きつけの銭湯で朝風呂。
 ここはどうもスタッフに絵描きがいるようで、浴場内にそのままコミケに出しても行けそうな四コママンガが月替りで掲示されている。
 湯船から上がって気が付くと既に9時過ぎになっており、慌てて義妹宅に戻る。
 姪がドイツの学校から持ってきた宿題と義妹が準備した日本の公立中学レベルの問題集を必死になって解いていた。以前から時々目にしていたが日本語の同音異義語や一部の熟語が理解できていない。日常会話には何ら問題ないし、分からなければその場で相手に聞き返すくらいのコミュ力があるので大丈夫だろうと思うが…。
 
 学校訪問の予定時刻近くになり、義妹が姪をドイツの学校で着用している制服に着替えるよう言った。お気に入りの制服を着た姪が「どう?」と見せに来たが、思ったより日本の制服に近くて違和感がない。
 ところがその制服は義妹と妻の審査の結果却下されてしまった。理由を聞くと「シャツが薄くてブラが透けて見えるから」。思わず「ブラ?」と聞き返してしまい、セクハラ発言だと大後悔。姪は成長が早いので、今からブラが必要なのだそうだ。そう指摘されて改めて選ばれた制服は、先程よりもっと日本の制服にというか、日本の制服そのものだった。
 訪問先の学校は義妹が日本での修学経験がほとんどない姪のことを考慮して選んだそうだが、県内の偏差値序列で言えば上位一桁に入る進学校だった。ドイツでの通学先は州内どころかドイツ国内でも上位数%に入る超優秀校だったから、それでもまだ義妹にとっては不満が残る選択肢らしい。また帰国子女に対する支援制度について教頭があまり理解していなかったそうで、元々高校教諭だった義妹は内情が想像できるからかこれまた不満そうである。
 姪よ、両親からの期待はなかなか大きいぞ。
 
 夕方、我々の帰宅前に全員で祖母が入所する施設へお見舞いに行った。101歳になった祖母は自宅療養している頃より元気そうで、会話もほとんど支障がなかった。久しぶりに義妹と姪の顔を見ることができたのが本当にうれしかったらしく、義母が言うには普段より言葉が多いとのこと。
 というわけで、4世代5人の女性が揃った様子を持ち込んだS100でそっと撮影する俺。
 妻よ頼むから祖母の冷蔵庫をあさったりしないでくれ…。