事前調査。

 当市内にもやっとNTTが光回線サービス展開を始め、徐々に契約者向けの宅内工事が始まっている。
 俺の実家も契約はして数日内に接続工事が行われる予定だが、俺の住むアパートについては契約が遅かったため6月末から7月中旬まで工事がずれ込む見通しと言われていた。
 さて、工事の前には一度宅内の調査があるのだが、俺の契約の場合それが今日だった。俺は事前に連絡を受けていたが、妻に説明するのをすっかり忘れていた。(正確には、契約した事自体を俺がすっかり忘れていたのだが)
 アパートの室内の散らかりようが尋常でなかったため、当日になって施工業者が部屋に踏み込んでくることを知った妻の怒り具合は半端ではなかった。普段からの連絡のなさをなじるだけでなく、片付かない理由を俺が持ち込むPCやカメラやその他の機材などのせいだと決めつけて、こんな部屋に他人を入れられるものかと息巻いていた。ここ数ヶ月で俺が部屋に持ち込んだ品物の中で最も大きな容積を占めているのは折りたたみコンテナ3つ分に増えたプライズフィギュアで、ブリットの車内にはまだ更に2つ分積んだままになっていることは妻には説明していない。
 
 さて、俺が聞いていた時刻である午前9時ちょうどに施工業者がアパートにやってきた。俺はてっきり宅内の引き込み箇所の目視確認だけかと思っていたが、窓から外を見ると高所作業車と作業員数名、交通整理のための警備員も連れてきていて、アパート壁面に取り付いて建物への引き込み箇所の確認も済ませる様子だった。実はNTTの契約担当者には宅内庁舎は原則平日のみ受け付けると言われていたのを、無理を聞いてもらってこの土曜日に指定してもらっていたのだが…。見に来るだけだと思ったから無理も言ったが、こんなに大掛かりにやることなら言われた通り平日にしてもらうべきだっただろうか。
 光回線の取り出し箇所は、今契約しているCATV回線の室内取り出し箇所と同じ所でいいと説明した。どうせアパート外壁からの同じ弱電配管を通すのだろうから業者から見ても一番手間がかからなさそうな場所のはずだ。すると、ではせっかくなので光ファイバーも通していきます、と言われて本来なら後日の接続工事の際に行われるはずの屋内ケーブル配線を済ませて行かれた。
 聞くとこのアパートへの調査は初めてで、他に予定は聞いていないという。するとアパートで光ファイバーの申し込みをしたのは俺が一番最初か、もしくは唯一ということか。
 CATV回線は解約しない。仕事で今までお世話になったことを考えるととてもとても。