映画を観たい。

 一旦印刷作業が終わった。丁度その時テレビでは映画「山本五十六」公開のCMが流れており、俺がぼんやりと「観たいなぁ」とつぶやいたが妻はあっさりと無視してくれた。
 彼女は「光源氏」を観たいのだという。誰が好き好んでそんなチャラいイケメンが群れて出てくるだけの民放の連ドラを映画館で垂れ流すようなのを観るのかと口撃してみると、お前なんかと観たいわけがない、そこまで言われるならこのクリスマスに一人寂しく観ながら、周囲に寂しい女だと思われる方がまだマシだと言う。
 だったらいつでも好きな時に一人で観に行けよと返したが、この3日間どこにも出ておらずあまりにつまらなかったので、結局は妻を誘って山本五十六鑑賞のため県都へ出発。