リースマニア。
話題の『借り暮らしのアリエッティ』を観た。
深夜にN氏に『特攻野郎Aチーム』を観ようと連絡したのに「もう観た」との返事。
映画館にはもう着いていたので上映時刻を確認するとアリエッティの方が早い。夜も遅いので特攻するのはまた今度にしてアリエッティを観ることに。
ショウがアリエッティ一家に絡みに行く動機がいまいち分からない。本人曰くの子供の幼稚な同情心によるものだとしても、ショウが外見以上に大人びて冷静な思考を想像させるような場面もあってちぐはぐに感じるし、アリエッティに冷徹で酷く攻撃的な台詞もあってあまりうまく表現されていないように思えた。
しかし一番分からなかったのは、家政婦の行動かもしれない…。
小人のスケール感に合わせた描写は凝っていて面白い。液体の表現も表面張力を強調していて小人視点をリアルなものにしているし、庭を一面横断する際の距離感もうまく表現してあった。
ジブリ制作アニメとしてはあまり面白くない方かもしれない。酷評されたゲド戦記ですら、退廃した王国の世界観に引き込まれるものがあったし、崖の上のポニョは総手書きフルアニメの美しさがあったし、それ以前の作品は言わずもがなだった。しかしアリエッティにはそういった何かが見えなかった。茄子・アンダルシアの風のような短編と思ってみるべきだったのか。
でも、本当は何かがあるのかもしれない。その何かが分かるなら、もう一度は観てもいいかもしれない。