メイドカフェ。

　金沢は竪町にあるヲタクビル、BELSEL。その中にメイドカフェがあるという噂は聞いたことがあったが、それが今月で閉店の予定という。
　そのメイドカフェ「Camelot」へF氏と示し合わせて行ってみる事にした。
　人生初のメイドカフェであったが…残念ながら閉店も止む無し、という印象。
　メイドさんは全員先に入店していた常連グループにかかりっきりで、他の客は席にも案内されず入り口で放置。
　席に着いても、その後どうオーダしていいのか案内も何もなし（テーブルの上にあった小さなベルを鳴らすとオーダを取りに来てくれると後で気付いたが…）、飲み物など持って来てくれる際もテーブルの上の荷物を皿で押しのけてみたり、何だかファミレスのバイトの方がまだマシな接客でかなりガッカリ。空席があるのに入り口で入ろうかどうしようか迷っている客を招き入れるようなアクションもなし、正直なところ喫茶店としては失敗している。
　またメイドカフェとしても「Camelot城」の使用人と住人という設定らしいのだが、アニメのありきたりなお約束世界観を事前説明無しにすんなり受け入れられるよう高度に訓練されたヲタでも、この店の雰囲気からその設定を理解できるようには思えなかった。
　店内にいるメイドさんはびっくりするほど美人ばかりで、メイドコスプレなどしなくても喫茶店の看板として十分お客が呼べるくらいだと思うのだが…。
　一体どうやって過ごすのがよいのか分からず、店内で固まるF氏と自分。常連客グループとはしゃいでいるメイドさん達を眺めているのも何だか失礼のような気がして、コーヒー一杯飲んで早々に辞去。
　店を出る際、メイドさんが一人だけ「行ってらっしゃいまでご主人様」とお見送りをしてくれた。これが唯一メイドカフェらしさを感じた点だったかもしれない。
　もし復活することがあるなら、メイドさんたちにはせめて接客の基本を身に付けてもらうべき。