濡れ衣。

 今日は朝からストリーミング放送のために調整室に缶詰になっていた。今週はフロアの引越しがあるのでこんなことに時間をとられている余裕はないんだが。
 過日の録画事故を踏まえて機材の調整は完璧。録画PCも無駄に2重化した上でVHSでも録画、音声だけでもCCTとDATに同時録音、さらに念を入れて私物のThinkPad X41とW05Kを持ち込み、外部からサーバ接続して正常にプッシュできているかモニタまでやった。もちろん通信料は自腹だ。
 放送開始時刻からしばらく経ち、全く順調に放送が進んでいることに安心していると背後の事務室から「音が聞こえないってクレームの電話が…」
 そんなわけがあるか!X41からはちゃんと音声が出ているし、録音用の各レコーダの入力レベルも適正だ。
 よくよく話を聞いてみると、不調だったのは私のストリーミングではなく、同じ放送を行っているCATVの生中継だった。
 ストリーミング調整室には私しかいないので手伝いに行くこともできなかったが、向こうの放送席を見るとCATVの制作スタッフが機材をひっくり返して大慌てしている。
 そういえば、今朝私がストリーミングサーバの起動準備に来た時、彼らは音声テストをしてなかったような気が…。
 視聴者数で言えばストリーミング放送よりはCATVの中継の視聴者の方が圧倒的に多いためクレームの電話が鳴り止まない。騒ぎを聞きつけ昔はオーディオマニアだったという我がボスが飛んできてCATVスタッフに混じって復旧作業を行った。
 結局はCATV中継用のミキサまでの音声ケーブルが接触不良だったのだが、午前の収録が終わって、記録したデータを落としに自分の席に戻ると「またトラブった見たいですね」と、別の課の奴がやってきて言うではないか。
 「またとは何だよ。音が切れた件ならWEBストリーミングじゃなくてCATVの中継だろ」と訂正すると「え?みんなWEBストリーミングとCATVの中継の区別ついてないから、全部あなたのせいだって言ってますよ」と来た。
 ふざけんな馬鹿ヤロ〜!
 
 午後にはCATV側の音声も復旧し、通常通りの中継となった。
 今回のトラブルでの反省点は2つ。我々が今使用していてCATV制作部にも貸し出している収録システムは、古いだけではなく小規模過ぎて今の中継作業をまかないきれておらず早急に更新か接続の見直しが必要だ。もうひとつは仮にもプロなら本番前のテストをすっぽかしてはいけない。