気を取り直して。

 次に、VHD-5100を試す。懲りないようだがこっちはかなり毛並みが違う。まずカラー液晶でJPEGファイルの再生ができる上、PCに頼らずともUSBホスト機能によって別のUSBストレージからファイルコピーができるのだ。容量は5GBもあるのでデジカメのバックアップストレージに使えるだろう。iPod譲りの(ていうかパクリの)ボタン配置でこれも見た目はなかなか使いやすそうだ。
 箱を見て嫌な予感がした。VHD-5500を上回るゴージャスさ。ブックケーススタイルの化粧箱から中を取り出すと、つや消しの黒箱中央に丁寧に収められた本体。本体表はあのThinkPad s30を髣髴とさせるミラージュブラックだ。
 でも外見には騙されまい。やはり最初に充電をしながら説明書を読んでみた。再生はどうか…今度は大丈夫。ちゃんとフォルダ内全部・全フォルダ・アーティスト全部など、一括再生指定の機能があるようだ。
 充電と並行してファイル転送をする。-5500とは違いそれなりに快適な転送速度で30分ほどで希望したファイルの格納ができた。ちゃんとしてる。仮にもUSBストレージが駆動しない事の方がおかしいんだけど、今はそれだけで感動できる。
 そして画面表示を日本語モードに変更し、再生フォルダを指定して再生開始。
 あ。音鳴ってる!ランダムモードで別のフォルダの曲に移動できてる!すげー!。
 ふと液晶ディスプレイを見てがっかりした。曲名が文字化けして読めないのだ。日本語モードなのに…と思いながら設定項目を見ていると、ID3タグ表示のフォントを別に指定することが分かった。何でそんなことすんねん。
 とにかくフォントも日本語に変更した…が、やや治まったもののまだ文字化けが残っている。ひらがな・2バイト数字などはフォントマトリックスがずれているのか、まるでドラクエふっかつのじゅもんのごとく「ガフバジヘタド…」と意味不明の文字列になっている。
 ま、まぁ…1バイト文字はマトモに読めるし、大抵の曲データには英単語やトラックナンバーが入っているからそれを頼りに曲指定はできそうだ。
 -5500のあまりのひどさからすればコレぐらいかわいいもんだ。マジで。
 だがやはり気になるところはある。ID3タグ情報が完全に反映されていないのか、格納されているのに検索対象にあがらないファイルが多数ある。それに、次トラックへのジャンプに5秒くらい待たされるのだ。見た目はMuvo2の10倍高級そうなのに、何でこんな事で劣っているのだろうか。
 
 検索対象に一部ファイルが載ってこない現象は、添付アプリケーションで本体内の曲インデックスを構築してやることで解決できる事が分かった。何だ結局-5500と同じか…自前か他人任せの違いはあるけど。
 それでも、準備を整えてやればボタンは大きく車の中でもそれなりに使える(-5500よりは)。
 しばらくの間、Muvo2の代わりに車内で使ってみよう。