てゆうかね、情緒的過ぎ。

 今日は研修会という事でお出かけ、その帰りにN氏を伴いまたまた映画鑑賞。
 本当はナイト・オブ・ザ・スカイを観たかったのだが、チケットカウンターまで来たところでN氏が「…大和は?大和はどこ?」と言うではないか。
 止む無く「男達の大和」鑑賞に変更。
 上映開始から随分経っているのでかなり館内は空いているだろうと思いきや、若いカップル多数。
 観てて話が理解できるんか?と疑問だったが、N氏曰くソリマチ目当てだろうと。
 で、内容は…正直なところ、ちょっとこれは…。
 私の知っている沖縄特攻=菊水作戦は「艦隊による沖縄攻撃」であって「大和単艦の作戦」ではない。
 なのに劇中の戦闘では艦隊行動のカの字も見られなかった。
 なぜか艦上シーンはほとんど全て艦上右舷中央だけ。艦後部デッキなどはとうとう見られなかった。撮影のために製作されたという実物の80%サイズの野外セットが右舷部分だけだったそうなので、そのためだろうか。
 それと、主砲・高角砲の射撃シーンのあまりのみすぼらしさに涙が出そうになった。主人公が銃座指揮官である直属の上官から高角砲の操作を習うシーンがあるのだが、俯角ハンドルと射角ハンドルの動きと銃座の動きが全く連動していなかった。俳優がハンドルを回すのを後ろで控えるスタッフが見て、ぎこちなく銃座を押して回しているのがバレバレである。
 実際の応射シーンでは、砲口からのマズルフラッシュはかつての日本映画とは違って火薬を工夫していてとてもリアルだったのだが、どうやらこの砲は駐退器がなくても問題ないタイプのようだ(笑。また銃座が動くたびに砲身がフラフラして何とも弱々しい。
 主人公が必死になって戦う舞台なのだから、他のセットは削ってでももう少しリアルに作りこむべきではなかったのか。当時の兵器を題名に取上げるくらいなのだから(戦争映画はどれもそうなのだが)いかに観客にハードウェアをリアルに見せ付け、臨場感を与えるかが重要だと思った。なお、グラマンやアベンジャーの飛行・攻撃シーンについては思い出したくもない。
 これだけ書いていると軍事マニアがツッコミどころを間違って喚いていると思われかねないのでアレだけど、他にもストーリーが細切れ過ぎて展開が急すぎる嫌いもあった。私やN氏はレイテ以降の連合艦隊と太平洋戦史に知識があるからいいものの、今時の若いカップルくらいになると「ミッドウェイって何ですか?」「マリアナ沖海戦て何ですか?」という人が少なくないのに、あんな展開にしてあると話に付いていけないのではないだろうか。
 だがしかし。たった一つだけ見所があった。
 登場人物の少年兵が母親に面会する宿屋で、ぼたもちを勧められるシーン。ここだけは「演技」とは何かを見せ付けられる思いだった。
 あ、最後に。
 鈴木京香と仲代達也はいらんと思います。