集合。

 到着すると義両親と義弟家族、妻が紅白歌合戦を見ながら夕食を取っているところだった。
 居間のテレビが以前のブラウン管から40インチほどの液晶テレビに代わっている。義弟達が来るまでにと、義両親が買い替えたのだそうだ。
 実は先日アパートの大掃除を妻がしている最中に俺が室内に立てているBS/CSパラボラアンテナを掃除機で引っ掛けて倒してしまい、その先にあった液晶テレビの画面にかなり目立つ傷をつけてしまっていた。傷の有無でこうまで見やすさが違うという話から室内にパラボラアンテナを立てることの是非に話が及んだが、アパートの外壁に工事が認められないから仕方ないのだと何度言っても誰も同意してくれない。どうせお前はテレビ番組を殆ど見ないのだからそんなアンテナ無駄だろうと妻が言う。まぁそれは事実だが…。
 やがてアンテナをこの義実家に設置して、義弟のSlingBoxを介して義実家を俺と義弟家族用のテレビ再送信センターにする案が出てきた。どうしてもPCを介する必要があるので妻などには使えないが、やってみると意外と便利かもしれない。
 
 姪は間もなく中学受験なので、義妹に散々怒られながら受験勉強をしている。義弟一族は元より妻や義妹の親族も士業を営む人が多いのだが、その血を受け継ぐ姪の受験先もかなりの進学校である。元教員である義妹の見立てでは合格の可能性は9割ほどではないかとのこと。
 試験ばっかり…と姪がこぼすので聞いてみると、先日英検1級に合格したばかりだという。姪はどちらかと言えば英語の方が得意だし(夢の中では会話が英語なのだそうだ)、さりとて日本語も全く不自由しているように見えない。これでドイツ語もできるのだから今更検定なんてと思ったのだが、将来の就職などで資格の有無はわかりやすい評価基準になるので取得させたそうだ。一発合格だったから自信も持てたはずだしね、と義妹。
 「私、将来は弁護士になるの!」と笑顔で語る姪。
 そうだな、あなたならできるでしょう。