余剰家具。

 妻が朝から義父と電話口でやかましく口論していた。
 関わるつもりはないが聞こえてくる内容を総合すると、義母側の親族で最近家を建て替えた人がおり、新しい家に合わないため使わず捨てるだけになった家具を義母に譲っているらしい。その近くにある義妹宅はあまり家具がなく義母の目で見ると色々と不便なようで、使えそうなものをどんどん義妹宅に運び込んでいる。昨日も義父の持つトラックを出して幾つか家具を運んだのだが、義父は基本的に家具を入れること自体に反対しており昨夜そのことでとうとう夫婦喧嘩を始めたようだ。
 元より義父は自らの家には最低限の家財道具しか置いていない(農耕用具や家自体に手を入れるための大工道具を置く場所にはどうやらその制限は適用されないらしい)が、その義父から見た義母は親族から捨てるにもカネがかかる粗大ごみをタダで引受させられる便利屋のように思えるらしい。
 実は先日義妹宅に宿泊した際、その原因になった家具群を調べていた。確かに、古くなったわけでもなく単に新居のデザインと一致しないだけで払い出された家具なので傷も殆ど無いし、かなりの高級品も幾つかあった。俺でも置き場所さえあれば二つ返事で譲ってもらいたいようなソファや洋間向けのテーブル、女性ばかりの妻側一族では重宝されると思われる女性向けの鏡台など。
 安くなるかも知れないが中古家具店に下取りに出したらいいのだろうか。