車の下見に。

 昨夜から義弟夫婦宅に一泊して、午前中に義両親と合流。
 義父の運転する車で義母の新車の下見に向かった。
 ところが義父の運転は想像以上に危なっかしく、助手席に座る俺の足はあるはずのないブレーキペダルを踏もうと何度も硬直する。
 義父は聞けば聞くほど破天荒な人生を送ってきた人物で、一応は二種や大型の運転免許も持ち東京・大阪など大都市圏での乗務経験もあるというが…やはり加齢には勝てないようだ。同乗する義母や妻が車内で金切り声を上げまくるので俺自身が耐えられなくなり、途中で運転を代わることに。
 義母が希望する車はとりあえず軽自動車であり、4ドアで4WD、かつある程度貨物容積が大きいこと、新車か在庫車であることが条件だそうだ。軽自動車にはあまり詳しくないので、価格交渉に入るまでは口を挟まずにいることにした。
 自分の軽自動車の知識は妹が初めて購入した15年前のワゴンRで止まっている。念のため月刊マイカーを昨夜購入して渡しているが、あまり目星は付けていないらしい。
 最初にスズキへ、次にダイハツへとディーラー直営店を回っていく。ホンダもどうかと提案したが正月三が日は休業。
 義父は今回の新車購入には反対だという。理由ははっきりしないが、実は妻の実家は県都の義弟夫婦宅に1台普通車を死蔵しているので、それをどうにかして義母が運転すればいいと思っているようだ。義母はしばらくその普通車を乗り回したが、車体サイズが大きすぎて手に負えなかったらしい。練習すれば…と思わないでもないが、義両親の資金でやりくりがつくものであるなら何も横槍を入れる必要はない。所詮は外様だ。
 義母と妻が話しを聞いている間、展示車の間をふらふらと徘徊する。自分の買い物ではないからか各車の特徴が全く頭に入ってこない。
 義父はと言うと、何故かどのディーラーでも義母が興味を示したグレードにアルミホイールが標準装備なのかをしきりに確認している。軽自動車の標準アルミなんてたかが知れているし、いずれ自動車用品店で夏・冬タイヤを購入する時にはどうせアルミセットを選ぶに決まっているのだからそんなものはどうでもいいのだが。3軒目のディーラーで義父のしつこさに義母が怒り出したので、まぁ後にしましょうと黙らせた。
 妻によると、義父は誰かが何かを思い立つと、とにかくそれはいらんあれは無駄だと横から口を挟んでくるのだそうだ。しかも経済的観念によるものでなく「単に構ってほしいだけ」らしい。義母を苛つかせている時の義父が楽しそうな表情を見せているので、どうやら本当らしい。
 色々と展示車を見て回ったが、今日のところは契約に至らず。
 その後4人で昼食に行き解散。