職場が火事。

 23:00過ぎ。アパートの近所で複数台の消防車のサイレンが鳴るのを聞いて外を見た。
 漆黒の闇の向こうにあるはずの職場のビルのあたりから、湧き上がる灰色の煙がライトに照らされているのが目に入った。
 ほぼ同時に防災無線の放送が建物火災の発生を知らせてきた。
 大慌てで着替えてアパートを飛び出して職場に向かって走る。普段の体力づくりがモノを言い、最初の100mダッシュで死にそうになり後は競歩状態。
 燃えていたのは職場の別館のビルの一室だったが、近寄った時には既に炎はなくなり消えかけの白煙が立ち昇る状態だった。
 たまたま残業していたという設備管理担当と手分けして、別館に入居している各部門の責任者に片っ端からTEL。騒ぎを聞きつけて自発的に集まってくる者もいたが、消火活動を手伝えるわけでもなく、徐々に規制線の外側へ下がりながら消防や警察、警備会社からの問い合わせに対応。
 消火活動が落ち着くのを待ち、集まった者で別館の中に入り被害状況の確認と、放水で浸水したフロアから水をかき出す作業。
 それが終わると今度は別館内のLANの導通テストとIT機材用の電源の確認を実施。火元の部屋には配電盤があったにも関わらずほぼ全ての電源が正常に通電した。一部浸水で漏電・破損したACタップがあった程度。LANも心配していたような断線はなく、正常に動作しているようだ。
 再燃に備えて地区の消防団が待機するので別館は施錠できない。また排煙のため全ての窓を開け放っていたが、鎮火してしまい消防や警察の本隊が引き揚げた今となっては防犯が心配だと思っていると、警察が朝まで警備してくれるとのこと。
 事故報告のために撮影した画像をオフィスの自分のPCに取り込んで、翌2:40帰宅。