空き瓶。

 「ジャーヘッド」を観た。
 下らない反戦映画でもなかったし、パールハーバーやID4のような下らない国策映画でもなかった。
 強いて言えば、エンディングのない自分探し兄ちゃんのロードムービー
 面白かった。
 非常に面白かった。
 特に納得できる理由がないまま、軍が演出するノリで前線に出て、深く考えるようなこともなく砂漠を歩き、迫撃砲の弾着の中を走り、焦げた死体や焼ける油田を眺めて休憩する。
 あれを観ていると、海兵隊という組織がいかにアホな若いにーちゃん達をうまく煽って動かすのか、その雰囲気が体感できる。
 愛国や正義と言った戦争のための理由などは特に感じられない。
 みんな国策のためだとぼんやりと感じながら、かといってそれが自分の足を止めるほどの重大事だとは微塵も思わない。
 文句を言いながらも、その場のノリに合わせていけば、その場にいることが許される。
 生きる理由が特にない連中が、他人任せで過ごしていくには都合のよい、たまに派手なイベントも見られる場所。
 体力に自信はあるが頭の空っぽなDQN達が斬り込み要員として集まる場所、海兵隊