飛行教導隊のお引っ越し。

 朝起きると珍しくT氏からメールが届いていた。
 空自小松基地にアグレッサーが飛んでくるという。
 
 えっ?
 
 アグレッサーとはどこの空軍でも持っているであろう、仮想敵になりきって味方部隊の訓練相手になる専用の部隊だ。
 空自の場合は新田原基地の飛行教導隊がF-15DJを使って活動している。
 小松基地に飛んでくることは別に珍しくない。毎年の訓練時期になると新田原から小松へ出張してきて小松の303・306飛行隊相手にG空域で戦技訓練を行っている。昔、EOS KissDに買ったばかりのSIGMAの初代50-500mm APO HSMを付けて小松空港の展望台へ試写に行ったところ、偶然出くわした離陸中のF-15DJを撮影したことがあった。
 T氏は名古屋への転勤以降全国の航空祭に駆けまわっていると聞いていたから、今更次の訓練のために小松にアグレッサーが飛来することなど別にどうということはないのではないか。
 出勤準備をしているうちにメールのことを忘れてしまい、そのまま帰宅まで思い出すことはなかった。
 
 昨日の点滴のせいかやや疲労感が強く、明日からの残業に備えて早めに帰宅したが、妻が朝置きっぱなしにしていった新聞を見てようやくT氏のメールの意味を理解した。
 飛行教導隊が新田原基地から小松基地へ移転するのだ。
 近年急激に発生回数が増えてきた中国軍機へのスクランブル対応に関連して、空自最大の広さを持つG空域を活用しつつ小松基地配属部隊の練度を上げるためと記事にはあった。
 機体数では10機前後だが、隊員数は150人近くになる部隊が新たに小松に増えるわけだ。
 
 来年の小松基地航空祭が楽しみだが、反戦団体の抗議活動がまたうるさくなるのだろう。