サーバ再起動。

 カルテ用のサーバ群を再起動するため、昨日の午後からカルテ保守業者が順次来院。電子カルテを停止する必要があるため、外来診療終了後に救急患者が少なくなったタイミングを見計らって作業を開始した。
 業者の事前想定よりかなり早く作業が進んだのは、対象サーバの一つでHDDが1発死んでいるのが発見されそのサーバは作業をキャンセルしたからだった。
 カルテ本体のサーバ群が全て再起動終了した23時頃、医事課で待機していた俺のPHSが鳴った。サーバ室で作業立会をしているY君からで、透析部門用のシステム用サーバが起動しなくなったという報告だった。
 当該システムは構築・保守業者が他とは異なるが、再起動だけなら可能だろうとカルテ保守業者が作業を引き受けていたのだ。本来の保守業者に通報したが、最寄りの保守拠点から担当者が来院できるのは翌0時頃、今分かっている状況から交換が予測される部品が届くのは02時頃との回答。
 冬の深夜、しかも生憎の荒天で道路は積雪と凍結が酷かったが軽急便さんは頑張ってくれた。
 当該サーバはM/BとCPUが故障しており、交換の結果起動するようになった。
 しかしネットワーク基板はM/B内蔵のものを使用しているため、MACアドレスが変わる他、OSが起動した後の設定は全て初期化されてしまっている。様子を見に行った俺はてっきり今作業にあたっていたシステム保守業者の担当者がそこまで設定作業を行うものと思っていたのだが、どうもH/W関係だけ指示を受けているようでそれ以外は何も作業できないらしい。呼んだ側のカルテ保守業者も「いやいや、そこまでやってもらえるものと思っているんですが」と、サーバラックの前で責任の譲り合い。
 気がつけば日付も変わって03時。透析業務はもちろん朝から行われるため、後数時間で動作させなければならない。カルテ保守業者が端末側に残っている設定からサーバ側設定を推定して設定してみると、ひとまずネットワーク接続ができて、かつ端末からも業務システム起動ができるようになった。しかし困ったことに業務システムの操作ができる人間がその場にいなかった。俺も透析システムはほとんど知識がないので復旧確認のテストができないのだ。
 守衛室に照会すると、5時には透析室の早番のNsが出勤するという。後しばらく待てば動作確認ができる。そのことを各業者に伝えたところカルテ保守業者側が「端末でアプリケーションを起動させて管理者ユーザでログインできればDB接続できたことになり、サーバの動作確認が取れたことになる」と主張する。
 なるほど。ならばと透析室に入ってシステムの起動テストを行ったところログインは成功。数時間後に始まる今日の透析予定患者のリスト表示も上手く行った。業者はこれで復旧とみなしていいでしょう、と一言付け加えてくれた。
 結局解散したのは透析室Nsと入れ違いの5時だった。
 
 ほんの数時間後に、我々は動作確認をしなかったことを後悔することになる。