熱い路上で。

 こんな半端な休日にできることはそうそうない。このままアパートに帰ってもゲームして眠って終わりのような気がする。
 灼熱下でのイベントが終わった後、写真を撮ろうと山の奥へと寄り道してみた。台風が近く一日置きに晴れたり雨が降ったりと天候は落ち着かないが、こういう時の空は、様々な雲が一度に視界に押し込められていてダイナミックだ。
 しかし今日は残念ながら思ったように撮れない。仕方なく帰路についたが、その道すがら路上に時折細身の何かがうろついているのが目に入る。ブリットを停めて見ると、そいつは餌と交尾の相手を求めて右往左往する蟷螂だった。

 マクロモードにしたDMC-FT2を手にして近づけば、腕を振り上げて威嚇する者、風に吹かれる草の擬態をしながら逃げる者。
 撮り終えた後、路面からの照り返しの熱でややぼんやりとしながら蟷螂の背中を見つめていたが、やはりアパートのエアコンが恋しくなって帰宅。