何故だ…何か物足りない…。

 以前来たのは6〜7年前だったか?確か表通りのコミックとらのあなに入った記憶があるが…。見上げると巨大なとらのあなの看板があった。反対側の通りにも名前をよく耳にするような店が並んでいる。そうやって正面に店構えできているのはそれなりに有名な大手ショップ。店舗の合間を穿つように口を開ける階段の上にもまた膨大な数の店があるのだろう。

 一つの看板に目が止まった。いつもパーツでお世話になるグリーンハウスの事務所の一つが入居するビルの看板だ。そこにはジャンルを特化した専門店やゲームショップ、怪しげなDVDショップに「巫女カフェ」まであった。特に目を引いたのが「耳かき店」。看板から察するに妙齢の女性が膝枕で耳かきをしてくれるらしいのだが…。

 その先のビルには「俺たちの太郎」と大書した看板が掲げられていた。ローゼンメイデンを読むと話題になった麻生太郎現総理の似顔絵が描いてある。ネットで話題になったのを後追いして総裁選前後に作られたのだろう。来年の今頃、このアキバに出入する人間のどれだけが、今と同じだけ彼を支持しているだろう。小泉総理の時も「自民党をぶっ壊す」「痛みに耐えて改革」と随分過激な弁舌で人気を博したが、そもそも長く政権党を取っていた自民党ならば誰が総理になってもその気になればいつでも改革などできていたはずなのに、どうして小泉ならやってくれると人々は誤解したのだろうか?。
 気まぐれに入った路地でサーバ専門店を見つけた。IBM製のP4サーバが2万円台で大量に在庫してあって職場のスパムメールフィルタにどうかと随分迷ったが、今以上に自腹を切って職場に奉公する事もあるまいと断念。私のように地方にいると通信販売頼りで市場に出ている中古サーバの性能水準と相場がいまいち掴みにくいのだが、こうやって店頭に並ぶモノを実際に見るとわかりやすい。
 そこから先の中古屋やPCショップをとにかく全部覗いてみた。一昔前ならゲームショップも好んで入っただろうが、テレビゲームとちょっと距離が開いてしまった今は、ゲームショップを埋め尽くす萌え系ゲームのパステルピンクに抵抗があってどうしても避けてしまう。
 しかし、以前来た時に比べてPC関連の店舗が減ったような気がする。中古ThinkPadパーツ専門店も確かあったはずなのに…。ふとその店のことを思い出して、かすかな記憶を頼りに彷徨ってみたがとうとう見つけられなかった。