旧知の新たな部下たちと。

 今回の人事異動で再び病院を離れることとなった。
 勤務年数から言えばもういつ異動を命じられてもおかしくなかったが、過去1年の部下への指導の状況を見たボスから切られたのかもしれない。俺自身も結果を出せない仕事にこれ以上向き合い続けることに困難を感じ始めていたところだったから、理由はどうあれちょうど良かったと感じている。今後の俺の昇進のタイミングと病院のポストを考えると病院に戻る可能性は少ないだろう。
 面白いことに異動先ではシステム管理者当時の先任士官D君に加え、飲み友達のZ君が部下となる。また病院勤務でお世話になってきた先輩達も数多く所属している。
 俺と入れ替わりに異動していくのは俺が採用当時に同じ部門にいた人だったり、病院で長年お世話になった某姐さんだったりと、万一業務に不明な点があっても教えを乞いやすい状況である。
 教えを乞うといえば俺は今回の業務は全くの素人で、部下2人には常に指導を受ける立場である。Z君は内心不安な俺を気遣ってか、管理職なのだから俺達を管理することに専念してくれればいいのだと言ってはくれるが、部下が行う仕事を理解できずに管理ができるわけはない。
 早速資料を集めて、勉強だ…。