修理の依頼。

 昨日久しぶりに地元の写真館へ出向き、先日EOS55で撮影したフィルム3本の現像を依頼してきた。
 県都で長年お世話になっていたカメラのキタムラですら単なる携帯電話屋に業態転換するようなご時世、田舎町で家族経営を続けている写真館の状態など推して知るべし。
 店内のガラスケースはスッカスカで10年前のビデオカメラや既に廃盤になった某社のマウント用レンズなどが入荷当時のままホコリを被っているような状態だった。
 ただ、そこの若女将が愛想の良い人で、昔から仕事でも趣味でも現像などあれば依頼してきたのだ。
 昨日は若女将が不在で、カウンターで最初に応対してくれたのはかなり前に店の経営から引退した大女将だった。
 フィルムの現像受付を済ませた後、ついでにEFレンズの修理を相談した。大女将は俺も見慣れた修理伝票をカウンターから取り出したが記載の仕方はよく分からなかったようで店の奥に声を掛けた。
 応じて出てきたのは店主だった。普段は撮影が主で店頭は若女将に任せている人なので、あまり話したことはない。
 「レンズの修理ですか?」
 「去年くらいに酷い片ボケしているのに気付いて、さっさと修理に出せば良かったんですけど忘れてて」
 「キヤノンの修理ならね〜、引取修理サービスやってるからそっちに頼んだ方がいいですよ〜」
 「はぁ」
 「ウチみたいな代理店通すと、修理は修理でも別の業者に行っちゃんだよね。キヤノンに送ればキヤノンが修理してくれるから」
 「日研テクノですよね?でもぶっちゃけ、これくらいの安レンズだったらキヤノン宛にしても多分日研テクノへの委託修理されるんで同じだと思うんですけど」
 「…」
 「…」
 「俺もね、個人の修理は全部引取修理サービスに任せちゃってて。ラクだから」
 「はぁ…」
 「…」
 「ああ、まぁ分かりました。そんじゃWEBで調べてみます」
 「そうしてください〜」
 来てくれるのはありがたいが自分のようにフラフラとしていたい者には何時に訪問しますなどと予定を決められるのは苦痛なのだ…。
 
 送料を自己負担して大分県の送付対応専用窓口に送ることにしたが、送付先が大分県だと調べるのも何故か一手間かかってしまった。
 キヤノンのWEBサイトでは修理対応にこの引取修理サービスとサポート拠点への持込対応の他、ちゃんと自己送付対応についても記述されている。ところが肝心の送付先がどこにも見当たらない。
 サイト内検索で調べてみるとそれらしいページのURLは見つかるが、ブラウザで開こうとするとリンク先の循環エラーが発生して表示されなかった。
 キヤノンは長年営業していた各地のサポートセンターを順次閉鎖しているところなので、サポート方法自体を大都市部のわずかなサポートセンター以外は全て引き取り修理サービスに一本化しようとしているのだろうか。
 結局修理受付窓口へ電話して聞けとの一文をようやく見つけて教えてもらい、部屋に転がっていた適当な大きさの段ボール箱にレンズを収めて発送準備を整えた。
 面倒だ。なんだか。