義妹の再就職。

 妻を義弟宅に降ろして義母と義弟夫婦に挨拶をしておいた。義弟夫婦は姪が中学に入学することを機に当面は日本で生活することを決めたらしく、義妹が市立高校の教員募集で採用されることになったと聞いていたのでお祝いを述べておいた。かつては県立高校で教鞭を取っていた義妹だが、およそ10年以上のブランクを気にしていた。
 姪は今まで必ず両親のどちらかが家にいてくれていた生活が一変することが不安らしい。また不安は両親の方にもあった。日本人の目から見ると同級生と比較して明らかに外見上2〜3年は大人びている姪について、そろそろ男友達の影がちらつき始めてもおかしくないというのだった。妻と義母は(それが血縁者の贔屓目がかなりあるにしても)かなり美形と言える姪に悪い虫がまとわりつく危険は確かにあるが、それときちんと距離を置く分別は姪に備わっているから心配するなと言って聞かせている。
 この一族を見ていていつも思う。俺の実家ではここまで家族間の繋がりは密ではなかった。