性懲りもなく。

 店内の自販機から買ったミネラルウォーターを飲みながら、壁にもたれ掛かって一休みした。酔いが覚めるわけではなかったが、痺れていた視界に色合いが戻ってくる。
 ちょうど深夜0時を過ぎる頃だったが店内には腐女子系の女性が1人と、観光客らしい外国人の一団がいた。そのフロアは全てUFOキャッチャーで埋まっていて、見ていると比較的取りやすい設定になっている様子だった。
 手元にあった100円硬貨数枚で試しにやってみると500円ほどで一つフィギュアが取れた。続けてもう一つ。
 調子よく続けようとしたところで、明日の研修会場には持ち物全てを持ち込まないと行けないことを思い出した。遊びに来ているわけではないのにこのアホみたいに派手なパッケージをどうするつもりなんだ俺は。
 酔いも冷めて頭を抱えた持っていたバッグに二つとも無理やり押し込むことに成功して嫌な汗をかきながら店を出ると、買い物袋を手に下げて前を歩くMさんとUさんを見つけた。追いついて声をかけようとしたところで、買い物袋が先ほどのゲームセンターのすぐ近くの店のものだと気が付いた。
 危ない。路上ゲロより更に恥ずかしい思いをしてもおかしくなかった。