防カビ。

 先月購入していながら、使っていなかった防カビ剤をようやく使用してみた。
 これは液剤で、水道水で希釈して対象に噴霧する。光学機器用としてカメラ店に置かれているようなパック式と違ってかなり面倒で手間が掛かる。それでもパック式のように置かれた位置から10cmの範囲で効果が…などとケチな話ではないので、年に一度やってやればより効果が期待できる。
 何が面倒かというと、噴霧後に乾燥させてもう一度噴霧して…と何度か工程を繰り返す必要があるので、カメラバッグに使うなら内容物を全部取り出してしかも数日掛けないといけないわけだ。このアパートには俺が何か作業に使える場所はない。PCをバラせば部品を仮置きするスペースがない。バッグに入った機材を出せば、それも仮置きする場所がない。下手に置いておくと妻が勝手に片付けるのであっという間に散逸するのだ。今までにも三脚のクイックシューが見当たらなくなったり、大口径レンズ用の高いフィルタが失くなったりと幾度か事件が起きている。
 それに一番イヤげなのはクソ重たい機材一式の詰まったバッグ(それがEOS6DとSD1M・SD14、KissDXの3つもある)をブリットから降ろして部屋に持ってこないと行けないわけでそれだけで作業するのは気が引けてしまうが、現在使用せずに保管している別の空いたバッグが部屋の中にあることを思い出したので先日事前テストしてみた。その結果やはりこの季節でも感想に時間が掛かること以外は作業手順に問題はなさそうで、まずはSDシリーズ用のバッグから手を付けることにした。
 テストに使用した空きバッグにSD関連機材を全部移動してしまい、すっからかんになったバッグ内に2倍希釈した防カビ剤をひたすらスプレーした。内張りや仕切りはウレタンスポンジに化繊シートを貼ったもので液剤が中々浸透しにくい。しかし100mlほど調製した液剤を使い切るくらいにして一回目の塗布終了。数時間置いて様子を見たが水の量が多過ぎたのかあまり乾く様子がない。これを室内のエアコン前で数時間置いて、無理やり乾かして二回目の塗布も実施。先ほどと同じようにエアコンとドライヤーも使って底面の隅など水分が溜まっていそうな箇所も念入りに乾燥させた。
 この液剤の見た目は澱粉の水溶液のようで、そのため乾燥させた部位が黒色だと水滴状の痕跡が残って見える。これは液剤をお湯で希釈したものを不織布に少し取って拭いてやると目立たなくなった。
 
 こういう面倒な作業を行うのもブリットにバッグを積みっぱなしにしておきたいからで、それも毎回アパートに持って帰ったり防湿庫を用意したりと適正な保管手順をサボりたいから…。
 こういうものぐさな生き方を続けていると、いつか痛い目に遭うような気がする。