委託作業のトラブル。

 今月末まで、つまり今日までに完了している予定で保守業者にデータコンバートを頼んでいたのだが、こちらが依頼時に考えていた作業工程と業者が着手した作業工程が全く異なっていて、データが一部手付かずで残っていることが判明。
 統廃合で閉鎖された銀行の口座情報の上書き作業だったのだが、銀行側へ投げて変換してもらっていたはずのデータが欠けていたのだ。
 銀行側からは2月末日までの予定で電子データ上の口座情報を更新してくれと依頼を受けていた。
 ややこしいことに同じ名称で行う業務とシステムが複数あって、保守業者から見てどのシステムが対象範囲なのかの指定が不十分だったようだ。こちらとしては口座情報を持つ全てのシステムが作業対象になるものと疑問なしの思い込みがあった。取り交わした契約書には確かに業務名のみ列挙し具体的なシステム名までは記載していなかった。
 今回欠落が判明したのは、この名称が重複した業務部分であった。既に廃止済み口座の情報を元に入出金依頼が銀行に行われた結果、該当する口座への処理は全てエラー扱いとなってしまったのだ。
 業務の流れで言えば着手時に確定しなければならない口座件数チェックも、保守業者が実際に口座情報を取り出す作業時になって初めて行うという形になっていた。これはチェックというより作業結果時の報告用という意味合いになる。事前に予定件数を調べて結果との点検があれば、受領時の件数読み合わせで確実に予防できたはずの、俺も保守業者にとってもみっともない情けない事件。
 ただ、事前の銀行との打ち合わせでは、変換されていない口座情報を受け取ったとしても特に期限を設けず受付時に自動変換を行う予定であるので問題はないとの説明が俺のノートには残っていた。念のため銀行の担当者に問い合わせたがそれで問題はなく、今回のエラーは銀行側が受付処理に使用しているソフトウェアの設定の問題ではないか…ということだった。これは保守業者も了解していることで、保守業者自身はこの点から作業日程にある程度余裕を持たせていたのかもしれない。
 もちろん、そのデータで業務を行う担当者はエラーを受けてカンカンになって怒っている。それもそのはず、名称が重複した業務部分については既に作業が完了していると俺が思い込んでいてそのように説明していたので、話が違う!と散々に怒られた。
 俺の方ではデータが仮に古かったとしても銀行側で受付できるのだから問題にはならないと高を括っていたのだが、担当者側の業務上、そのデータを印字した上で稟議にかけなければならず、明らかに誤っている情報を後年まで残る書面で使うことは許されないという主張だった。
 しかも前回の作業から1ヶ月も時間があったので、先にわかっていれば取り返しもついたのに…と、最後には怒り疲れてトーンダウンしながら、お前に確認をさせたことが間違いだったという表情で話を打ち切られてしまった。
 これは担当者に対しては全く申し開きもない事態で、また入出金にかかる問題でもあったので保守業者にはとにかく今日明日にでも残りの作業を完了して欲しいと依頼した。担当者からは保守業者へも相当のクレームが行ったため、夕方には担当営業が飛んできてお互いに事情の確認を行う有様となった。
 
 結局のところ、銀行側からの説明にあった無期限の自動変換とは最悪の場合にそのような逃げ道も可能であるという程度の意味で、実際にはやはり期日までの変換が必要であったのだろう。でなければ最初から期日を定めての依頼など不要である。
 一発で自信喪失である。この歳になってシスアドレベルの業務しかできんのか俺は…。